- 1 みんな大好き「サプリメント」の本当の役割
- 2 まず、サプリメントとは?
- 3 近年、売り上げがうなぎのぼりで伸びている
- 4 サプリメントの本当の役割
- 5 日本人に不足しているとされている栄養素
- 6 栄養不足によって生じるリスク
- 7 だからといって病気の改善に役立つのかどうか
- 8 見逃してはいけないサプリメントの副作用
- 9 特に病気の治療を行っている場合は注意が必要
- 10 基本的に栄養素は食事で補い、サプリは補助的に利用が正解
- 11 サプリメントを利用する上でのワンポイント
- 12 サプリメントを考えると食事の重要性が分かる
- 13 でも、何を食べたらいいか分からない…
- 14 子供の頃の「食育」が大事になる
- 15 とはいっても、好き嫌いは全ての人に一定の悪影響が生じるというものでもない
- 16 食事のバランスを意識する時に注意すべきこと
- 17 食べ過ぎの代償をサプリメントに取らせるのは本末転倒
- 18 ストイックすぎるのも考えもの
- 19 まとめ
みんな大好き「サプリメント」の本当の役割
皆さんサプリメント飲んでますか?
・何となく体によさそう
・お肌や髪の調子をあげてくれる
・ストレスを緩和してくれる
など、人によって様々ですが「ある目的」があって服用しているという人がほとんどだと思います。そんなサプリメントの本当の役割について私なりの説明をしてみようと思います。
まず、サプリメントとは?
1994年にアメリカで「サプリメントの定義」が発表されています。
それによると「ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸」のいずれかを含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のものとされています。ヨーロッパ各国でもほぼ同様定義がなされています。
一方で日本では明確な定義はありません。が、厚生労働省では「特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品」としていて、同一の枠内のある健康食品においては「健康の保持増進に資する食品全般」となっています。
更に、今は新しく
・機能性表示食品:「機能性表示食品」とは、企業の責任において、科学的根拠にもとづいた機能性を表示した食品
・栄養機能食品:すでに科学的根拠が確認さえた栄養成分を一定の基準量を含む食品であれば届出をしなくても、国が定めた表現によって機能表示ができる食品
・特定保健用食品(トクホ):有効性、安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁(※)の許可を受けた食品のこと
これらも加わり、薬ではない食品由来の健康や美容に役立つ口から摂り入れるものが非常に増えてきました。
✅まとめると、今現在薬以外の健康や美容に役立てる目的として出回っているものとしては
・サプリメント
・健康食品(プロテインも含む)
・機能性表示食品
・栄養機能食品
・特定保健用食品
があります。
今回ご説明するのは機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品といった「飲食物」ではなく、成分を凝縮させた「サプリメント、健康食品」についてに限定させて頂きます。
近年、売り上げがうなぎのぼりで伸びている
健康産業新聞のデータのによると、日本における健康食品市場の売上は1988年の段階では「3200億円」だったものが、2019年では「1兆2500億円」にまで膨張しています。
近年では2015年の機能性表示食品の参入による伸びによって業界全体が大きな伸びを見せています。
サプリメント、健康食品について、どの世代も比較的肯定的であり、「関心のあるものであれば積極的に摂取したい」という傾向があることが分かっています。(特定保健用食品も込み)
一方で、青汁や乳酸菌食品、特定保健用食品などは伸びているものの、ビタミンCやヒアルロン酸など、以前の健康食品界のスター的存在だった商品は売り上げが下がっているという現象も起きているようです。
✅販売経路としては
・店頭販売
・ネット販売
・訪問販売
などがありますが、現在は店頭販売とネット販売が伸びているようです。店頭販売においては「インバウンド消費」によって大きく伸びていましたが、このコロナ禍によって現在は沈んでしまっているという状況があります。
ネット販売においては国内において大きくシェアを拡大しており、コロナ禍によって更に売り上げを伸ばしています。今後も強さを見せていくと思われます。
サプリメントの本当の役割
サプリメントの役割は「食べ物で摂取できない栄養成分を補完すること」です。
✅人間に必要とされる5大栄養素
・脂質(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)
・糖質(白米、小麦製品など)
・たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品、豆類など)
・ミネラル(ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなど)
・ビタミン(脂溶性、水溶性)
これら5大栄養素が必要不可欠です。5大栄養素が人間を形成する一部となる他、肉体や内臓、脳を動かすエネルギー、そのエネルギーを生み出す触媒となるなどして健康状態が維持されています。
5大栄養素がきちんと摂れていれば問題ないのですが、摂取出来ていない場合は他にサプリメントなどで補う必要性があります。
逆に言えば、きちんと栄養が摂れている状態であれば、別途、サプリメントなどで補う必要はありません。日本食は栄養面において偏りがなく、特に糖質や脂質が少ないことから健康食として注目されています。なので、1週間トータルで判断して、それなりに色々な栄養素が摂れているといった場合には、それほどサプリメントなどで積極的に補う必要性はないのかな?と思います。
日本人に不足しているとされている栄養素
✅日本人の全年代にて足りていない栄養素
・鉄
・亜鉛
・マグネシウム
・カルシウム
があります。鉄や亜鉛はホーロー鍋の普及やベジタリアンの増加、インスタント食品の普及、マグネシウムは食の欧米化、塩分の摂取過多などが考えられます。カルシウムは風土的にカルシウムが少ないこと(水や野菜に移行しないので摂取量が低くなる)などが挙げられます。
特にひどいのは30代男女です。ちょと怖くなりますが、、
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、カルシム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛が不足しているというデータが出ています。
✅不足している理由
・偏食(ご飯やパン、麺類などの炭水化物の摂取量が多く、逆に野菜、キノコ類、フルーツ、乳製品、肉類、魚介類の摂取が少ない)
・朝食を食べない
・極端なダイエット
などがあります。特に「ダイエット」の影響が大きく、日本は先進国の中でもトップクラスのBMIの低さとなっています。若い女性の摂取カロリーは終戦直後よりもひどいというデータもあるほどです。
肥満は生活習慣病に繋がるので健康によくないというのは皆が知っていますが、痩せによる栄養不足も同じように健康に対してリスクがありますので、食事の量を増やして栄養状態をよくすることが求められます。
栄養不足によって生じるリスク
栄養不足=体を作る材料とエネルギーが足らない状況なので、まず、それらを最も必要としているところに影響が出ます。
肌、口~肛門、喉、鼻の粘膜、髪、爪は体の中で最も生まれ変わりが早く、栄養素を必要とする場所です。なので、まずこれらの場所に症状が出ます。
✅一般的に出やすい症状
- 肌荒れ
- 口内炎ができる
- アレルギーになりやすい
- 胃痛
- 髪が細くなる
- 爪が割れやすくなる
などの症状が出やすくなります。進むと血管や血流にも影響が出てきますので、めまいや頭痛、冷え、顔色が悪い、関節痛などといった症状が生じることも。
次にエネルギー不足です。糖や脂質といったエネルギーの元となる栄養素が不足する、更にビタミンなどのエネルギー変換の触媒となる栄養素が不足してしまうと、車に例えるとガソリンの役割を担っているエネルギーが不足します。
エネルギーが不足してもケトン体によって充足されますが、大きなエネルギーを生み出すことはできないので、強度の強い運動、ストレスなどには耐えられません。また、ケトン代謝の製造元となる肝臓もたんぱく質不足によってうまく機能しないという状況も起こり得ます。
これら要因によってエネルギー不足となると、だるい、疲れやすい、気分が晴れない、情緒不安定、痩せない、食欲不振、不眠、筋力低下などの症状が出やすくなります。
✅低栄養状態が進むと
・貧血
・誤嚥性肺炎
・出血のリスクが増す
・フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームの進行
・無月経、不妊症
・免疫低下(風邪など感染症に罹患しやすくなる)
・脱水になりやすい(熱中症の危険性が高まる)
・甲状腺の病気(ヨウ素の不足)
・ドライアイ
・壊血病
・くる病
・脚気
・骨粗鬆症
・意識障害
・各種生活習慣病
などのリスクが増すとされています。
だからといって病気の改善に役立つのかどうか
先ほど、栄養の不足は不快症状の原因になると説明しましたが、だからといって病気や不快症状の改善に役立つのか…というと疑問が残ります。
栄養の不足は心身の不快症状の原因になります。しかし、病気の大部分は栄養不足ではなく、先天的な体質や日々の生活習慣、過食、過度の飲酒、喫煙、老化、ウイルスや細菌などの外部からの感染症によるもの、ストレスなど「違う要因」が主な原因として引き起こされます。
よって、原因が異なるので病気を治すということにはなりません。しかし、原因ではなくても病気の改善に役立つサプリメントもあります。例えば、脳機能障害はイチョウ葉に含まれるテルペンラクトンの不足で起こる疾患ではありませんが、ドイツでは薬として認可されており、脳機能障害などの治療薬として使われています。
なので、全てが「病気に対して使うことはできない」ということではありません。あくまでも「全体的にその可能性が低い」として捉えていく必要があります。
不快症状に関しても同様であり、その原因が栄養の不足であれば改善しますが、違う原因であれば全く効かないというが前提としてありますが、同じように原因が異なっていても、イチョウ葉のように症状の改善に役立つというケースもあります。
このような傾向は私たちを混乱させます。偏食があれば栄養素の不足が疑われるので見抜くのは比較的簡単ですが、バランスの取れた食事をしているにも関わらず症状が出ている場合には何が原因か分かりません。これは医師では同じであり、生活習慣病の多くは原因が特定されないまま治療が行われています。
現状がこのような感じなので、「もしかしたら」という願いからサプリメントによって改善を試みるというケースが多くなっています。これは悪いことではないのですが、しばらく服用して効果がみられない場合は、その栄養素の不足ではない、そして症状を改善させるものではない可能性が高いので服用をやめるなどして様子を見たほうがいでしょう。
「高齢者のサプリメント摂取」に対しても考えるべきことがあります。高齢者は消化吸収、代謝などの機能が衰えているので、きちんと栄養素を摂取していても、体内にて不足してしまい、それによって例えば関節痛などの不快症状が出ることがあります。この場合にはその足りていない栄養素をサプリメントにて大量に補うことによって、不足している分を充足させるという考え方もあります。
これはある意味正しいですが、代謝が低下している→過剰に摂取した分が体内に残ってしまう→代謝を担う臓器に負担がかかる(肝臓や腎臓)+体内に残存して悪影響を与えるということも考えられますので、そのリスクを考えつつ、適宜、足らない栄養素を補い不快症状の改善にサプリメントを役立てていくことが求められます。また、病院の治療も行っている方が多いので、そちらの相互作用についても考える必要があります。
見逃してはいけないサプリメントの副作用
取りあえずサプリメントを試してみたいと思った時にぜひ知っておいて欲しいのが「サプリメントにも副作用がある」ということです。
サプリメントは成分が凝縮されています。一度の食事では到底とれないような量の成分が含まれています。その量を毎日せっせと摂っているので当然副作用が生じることもあります。
一番よく見受けられるのがアレルギーです。アレルギーはほぼ全ての食品にあるといわれています。サプリメントは単一の成分が大量に含まれているので、その成分にアレルギーを持っている場合は症状が強く出ることがあります。また、すぐに出なくても遅延性のアレルギーもありますので、自己判断で大丈夫とせずに、服用してから数時間後に症状が出た場合、数週間、数か月後に出る場合もあるので、出た場合は速やかに服用をやめ、場合によっては医師に相談するなどする必要があります。
次に食品というのは個々負担をかける、影響を与える場所が異なります。酸味の強いものは胃腸の粘膜、脂質の多いものは胃腸及び肝臓、カボチャの種などの利尿作用のあるものは腎臓、センナやアロエなどの便秘改善に役立つものは大腸、八角は神経、また、カルシウムやマグネシウムなど単体のミネラルを摂りすぎると体全体のミネラルバランスを乱すというデメリットがあります。これらは一例ですが、特定の場所への負担やバランスを悪化させるなどの悪影響を起こすことがある、ということを覚えておかなくてはいけません。
通常、バランスを考えた食事から摂取された栄養素であれば、それほど栄養素単体の量が多くない(一度の摂取量及び継続摂取されない)ので、代謝を担う個々への負担が継続的にかかり続けるということは考えにくいですが、サプリメントの場合にはそれがあり得るので、継続的に摂取する際には1日量の1/3くらいでもいいのかな?と個人的に思います。理由は申し上げた通りのデメリットがあることと、食事によってもある程度摂れていること、栄養素の種類によっては体内でも合成されている(例:ビタミンは腸で合成。抗酸化物質はミトコンドリアで合成)ので、それほど多く摂る必要性はありません(デメリットとメリットとを天秤にかけて)。
特に病気の治療を行っている場合は注意が必要
病院にて治療している場合には薬を服用しているケースがほとんどだと思います。この薬に対してサプリメントや健康食品が影響を及ぼすことがあります。
✅代表的なサプリメントと処方薬の相互作用
・イチョウ葉:抗血小板薬→薬効の増強(出血)
・ノコギリヤシ:抗血小板薬→薬効の増強(出血)
・朝鮮人参:ワルファリン、サキナビル、リトナビル→薬効の増強、減弱
・ビタミンB6:フェニトイン→薬効の減弱
・青汁・クロレラ(ビタミンK):ワルファリン→薬効の減弱
・ビタミンD:ジギタリス製剤→薬効の増強
・マグネシウム:ビスホスホネート、テトラサイクリン系抗生物質、ニューキロノン系製剤→薬効の減弱
・コエンザイムQ10:降圧剤、糖尿病治療薬→薬効の増強
などがあります(もちろんこれ以外にもあります)。
このようによく知られている場合以外にも、思いもよらないような相互反応を起こす場合もあるので、服用する場合には事前に担当の医師に相談するのはもちろん、許可をもらった場合でも不快症状が出た場合には再度相談する、服用するのを中断することが必要になります。
また、病気によって服薬している場合以外でも
・内臓の機能が未熟な小児
・妊娠中、授乳中
・代謝が著しく悪くなっている高齢者
・アレルギーを持っている方
・食事が摂れていない極端に痩せている方
などがある方は、問題が生じることがあるので慎重に用いることが求められます。
基本的に栄養素は食事で補い、サプリは補助的に利用が正解
ここまで説明したサプリメントを摂る目的とそのデメリットを天秤にかけて考えると、健康維持、改善、美容の維持を目的として考えるならば、基本的に食事によって栄養全てを補うにようにして、足らない分だけをサプリメントは補助的に使うということを心がけるようにするのがベストです。
また、きちんと食事にて摂れていても、人によっては胃腸が弱く栄養素の吸収が悪い、ストレスが強く抗酸化物質が沢山必要、高齢者は吸収率、代謝がよくないなど、個々違う悩み、必要性の高い栄養素があるなどの違いがあるので、それを補う意味で特定の食事を摂る、サプリメントを利用するのは意味のあることだと思います。
更に、口から摂りこむものだけで対処するのではなく、運動などでストレスを発散する、睡眠をしっかりとって心身を休める、規則正しい生活を送り心身への負担を減らす、人間関係を豊かにすることによって心を充足させる、認知の歪みを解消するなども併せて行うことも大事になります。
サプリメントを利用する上でのワンポイント
以上、諸々知ったうえでそれでもサプリメントや健康食品を利用したい!場合にはこれだけは覚えておいて欲しい!ということについてご説明します。
まず、口内炎や目の渇き、肌荒れなどが激しく、明らかに心身の疲れやエネルギーの不足が原因であり、その改善として期間を区切り利用したいという場合には、食事や休息をしっかり摂ることを前提としながら、代謝を活性化するビタミンB群や鉄など「不足しているであろう」栄養素を補うことは意味のあることです。利用する際には書かれている用法容量を守り服用するようにします。その後、症状が治れば速やかに服用をやめるようにします。
次に、慢性的な症状、例えば疲れやすい、継続的なストレスによって心が疲れている、ニキビを改善したい、肩こりを…などにサプリメントを用いる際です。この場合も、先ほどと同じように心身のバランス整える生活習慣を前提としながら、「必要最低限」の量を服用するようにします。先ほども申し上げましたが食事でも摂取している、体内でも合成されている(全てではありません)ので、1日摂取量の1/3程度の量で十分のこともある、ということを覚えておいてください。
このように期間を区切って服用する場合は容量を守って服用する、慢性的な症状に対して長期に及び継続する場合には少な目とする、というのがポイントです。
先ほど書いたアレルギーや内臓に負担をかける以外にも、長期に渡って服用しているうちに老化する、体調が変化する、病気をする、慢性病に罹患することがあります。このように体調による変化を感じた際には、サプリメントや健康食品の服用も変化させていくことが求められます。
サプリメントを考えると食事の重要性が分かる
ここまでサプリメントの必要性、使い方などを考えてきましたが、クローズアップされてくるのが「食事の重要性」です。これは極端な考え方ですが、食事によって栄養素がしっかり摂れていればサプリメントを摂取する必要性は限りなく低くなります。
そして、むしろ足りている状態でサプリメントを補うということは、その栄養素を吸収・代謝・排泄する特定の場所、内臓、代謝器官に負担をかけてしまい、逆に健康を損なう危険性があるということも知って頂きたいと思います。
これらを含め考えると、普段より栄養価が高く、バランスの取れた食事を摂り続けることこそが、体の健康状態を向上させると共に、サプリメントによる副作用から心身を守る、金銭的損失を回避することに繋がることが分かります。
漢方では食育、薬膳というものがあります。薬を用いる前に食事を整える、症状に見合った食事を摂り体調を整えていくという考え方です。この基本となっているのは食事のバランスです。旬の食材を使いながら、季節の養生に合った食材・調理法を使っていくことによって食事のバランスが自然に整うことを基本としています。
今のように暑い夏であれば熱を冷ます作用のあるフルーツや夏野菜を摂りつつ、胃腸の働きを整える大葉やショウガ、水分代謝を活性化するトウモロコシや豆類を適宜使っていくというような役立て方をします。
食材はサプリメントと違い、多種多様なものがあり、更にその効能も細かく分かれているので、体質によって合わせやすい、そして凝縮されていないので副作用が少ないというメリットがあります。
なので、出来ればですが、食材を上手に利用していくということをおすすめします。特に「長期に渡って体質改善したい」という場合に適しています。
でも、何を食べたらいいか分からない…
皆さん一般人なので食事の重要性は分かっても実際に何を食べたらいいのか分からないという方がほとんどだと思います。
✅基本的に必要となる栄養素
・炭水化物(白米、パン、麺類)(一食一善程度)
・脂質(これは意識しなくても摂取しているので恐らく大丈夫)
・たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品、豆類)(一食・炭水化物の8割程度)
・野菜、キノコ、海藻、イモ料理(一食・炭水化物と同程度の量)
以上が必須の栄養素となり
・果物(一食・炭水化物の1/3程度)
・汁類(味噌汁やスープ類)(カップ一杯程度)
なども併せて摂るのが理想です。
以上を意識して基本形としつつ、常に毎食は面倒&忘れちゃうので1週間述べてバランスがとれていれば大丈夫!というように考えるようにしましょう。
常に主食のご飯やパン、麺類をメインにしながら、肉や魚、卵料理をおかずのメインとし、旬の野菜やキノコ、海藻料理を副菜に添える、これだけ考えるだけでOKです。それに、朝はお腹を温めて全身の代謝を上げる「お味噌汁」を必ず頂くようにする、夜は消化がよくなっているのでたんぱく質をしっかり食べるなどを意識するといいでしょう。
食材の理想は「生鮮食品」を料理して使うようにします。何故かというと時間が経過している食材は栄養価が低いという傾向があるからです。また、加工食品は防腐剤などの添加物が添加されていること、脂質や塩分が過剰に使われていることがあるなどのデメリットがあるので、あまりおすすめすることはできません。多少手間暇かかっても、旬の食材を料理して食べる習慣を持ちましょう。
体調悪化を改善する作用のある各食材については長くなるので今回は割愛させて頂きます。基本的に上記の食生活を意識しながら、旬の食材(旬の食材にはその季節に生じやすい不快症状を改善する効果がある)を適宜食材として利用するというのが大事になります。
子供の頃の「食育」が大事になる
栄養のバランスは沢山の食材から少しづつバランスよく摂取するのが基本となります。人間の体は多種多様の栄養素から作られています。更に、それら栄養素の摂取を基に内臓機能が緻密に作り上げられていることも意識する必要があります。
栄養学だけを基に考えれば、食物繊維など必要ないとされている成分も、実際には腸内環境を改善する(大腸がんを減らす効果が立証されています)、栄養素の急激な血中への移動を抑制する、歯を研磨して虫歯や歯周病を減らす、咀嚼回数を増やして胃腸の負担を減らすなどの効果があるので、一概に栄養学だけでは測りきれない面もあります。
よって、科学的のあるなしに関わらず、基本的なバランスを守り食事をするということが大事になります。
前置きが長くなりましたが、このように大事な食事のバランスを守るためには「何でも食べる」ことが大事になりますが、今は子供の偏食が問題になっています。
よく聞くのが「偏食の指導することで余計に嫌いになってしまう」「食への恐怖を植え付けてしまう」などがあるので、積極的に食事の指導をしないという考え方です。これは学校の指導でよく聞くことです。アレルギーなどもあるので昔ながらの「全て食べるまで終わりにしない」というのは暴力的で考えものですが、全く関与せず「全て子供に任せる」というのは違うと思います。
ここではどのような指導法がいいのかについての発言は差し控えさせて頂きますが、学校ではなく親が主導して子供たちの食育をしていくというのが正しいと思います。
✅我が家ではどのように食育したかというと
・一緒に野菜を育て、命の一部を頂くということを教育した
・野菜の栄養素が必要という教育をした
・母親がちょっと怒りながら好き嫌いを是正した
という感じです。子供は大人よりも味覚、嗅覚が敏感なので味の濃いものは嫌がります。また、本能的に腐っている味である「酸味」「苦み」「辛み」は嫌がります。なので好き嫌いがあるのは全く問題ではなく、むしろあるのが正しいといえます。
よって、無理に是正させるのは本来正しいことではありません。が、将来のことを考えるとやはり親が徐々に粘り強く是正させていく、というのは行っておくべきだと思います。
よく聞くこととして、先ほど申し上げた通り、子供の頃は味覚・嗅覚が敏感なので好き嫌いは普通。しかし、成長すると次第に鈍感になり、結果、好き嫌いがなくなっていくというストーリーがあります。これはある意味正しいですが、一方で大人になっても「一切野菜を食べることができない」という人が一定数いるのも確かです。
このようなリスクがある以上、なるべく健康リスクを排除しておきたいと感えるならば、子供の頃の好き嫌いは改善していく方がいいのかなと思いますよね。
とはいっても、好き嫌いは全ての人に一定の悪影響が生じるというものでもない
以上のように「理想」としては栄養素は満遍なく規定量をしっかり摂った方がいいといえますが、一方で全て食事で補完しようとすると、逆に「食べ過ぎてしまう」というデメリットが生じることがあるので注意しなければなりません。
好き嫌いは、特定の栄養素が不足してしまうので健康に対するリスクを増加させますが、全ての方に同じくらいの病変をもたらすというものではありません。
ひとそれぞれ体質というものがあり、その体質には強弱があります。簡単に説明すると、体が弱い人がバランスの崩れた食事を続けていると、例えばエネルギーが不足するとその不足が補われにくくなるので、心身の機能低下を強く受けるという傾向があります。当然、免疫力も低下するので病気に罹るリスクも上がるということになります。
逆に体が強い人では、例えば先ほどと同様にエネルギーが足らない場合、体に蓄えられている栄養素を分解してエネルギーに変えることができるので、心身及び免疫の機能低下が生じにくいといえます。よって、その影響を受けにくいといえます。
以上は分かりやすく極端な例の説明になりますが、このように心身の強弱、体質、その時の心身の状態によって大きく違いますので、一概に「好き嫌いは絶対にダメ」「偏食は悪」ということではありません。
あくまでも個々によって異なる、そしてリスクを減らすためには食事のバランスは大事ということです。そして、単に「心身の調子が悪い」ことのリスク対処だけでなく、高血圧や糖尿病などの成人病の予防、命を奪うがん、脳梗塞、心筋梗塞などの予防にも役立つこともあります。人によって大きくその効果は異なりますが、偏食によって命を奪われてしまうことがあるということを忘れてはなりません。
食事のバランスを意識する時に注意すべきこと
先ほども少し触れましたが、栄養素の補完ばかり意識してしまうと沢山の食材を摂取しなければならないということになります。しかし、沢山の食材を摂ってしまうと「肥満」という問題が出てきます。
よって、1~2週間トータルで栄養のバランスをとれるように意識して、一食で栄養素を補うというようには考えないようにします。そして、ある程度のバランスがとれていれば少しの不足は気にしないという心持も大事なります。
何故かというと、食べ過ぎるということ以外にも、食事の内容を考えるのがストレスになる、そして多少の過不足はそれほど心身の状態に影響しないというデメリットがあるからです。
実は「栄養素が足らないリスクよりも、摂り過ぎのリスクの方が大きい」というのが現状です。昔は貧困により不足のリスクが大きかったのですが、今は摂りすぎによる高血圧や脂質異常症、糖尿病、脂肪肝、脳血管障害、胃腸病などが病気の大半を占めています。あくまでも日本の現状をみながら平均的な見解になりますが、どちらかというと食べ過ぎのリスクが大きいので、それを加味して健康的な食生活を営んでいくことが求められます。
食べ過ぎの代償をサプリメントに取らせるのは本末転倒
ちょっときつい言い方になりますが、食べ過ぎによる心身の不調をサプリメントによって改善するのはあまりいい方法ではありません。理由は本質の改善になっていないので、その人のためにならないからです。
例えば肥満の改善としてダイエット薬を利用する、これは一時的にダイエットに成功するとは思いますが、リバウンドによって元に戻ってしまうことや、その繰り返し(ダイエット⇔リバウンド)によって心身に負担が増えて健康リスクが増加するという懸念があること、更に糖質や脂質などの吸収を遅らせるサプリの摂取は胃腸への負担を増やしてしまうこと、不足している栄養素の吸収も阻害してしまうことなどが挙げられます。
これらも含め、色々なデメリットが生じることが多く、そして「食べ過ぎることをやめるだけで改善する」という方法とを天秤にかけると、サプリメントをダイエットに用いるというのはいい方法でないといえます。
また、太ってもいないのに瀉下作用のあるダイエットサプリを用いて更に痩せる…というケースもありますが、命に関わる事態に発展することがあるので絶対におすすめできません。
ストイックすぎるのも考えもの
基本的に食事をストイックに管理していくのは大事なことですが、やりすぎるとそれがストレスになってしまう、疲れてしまう、飽きてしまうことに繋がり、逆に長続きしない、周囲の人から不満が出るなどのリスクが生じます。
なので、食事は一生涯続けていくものなので、多少緩めにあまり縛られずに行っていく、という心持ちが大事になります。
これは私の管理方法ですが、もし参考になれば幸いと思い記載させて頂きます。
まず、ウイークデイ(旗日以外の月~土)の朝昼はほぼ同じようなものを食べています。朝はあまり食欲がないので、妻が作った旬の野菜がたっぷり入ったお味噌汁+ご飯一膳を頂いてます。昼は職場に冷蔵庫と料理場があるので、焼き鮭、味噌汁、白米、納豆は変わらずでそこに旬の肉野菜炒めや肉じゃが、キノコと野菜の煮物などが加わります。夜は妻が作ったバラエティー豊かな食事、カレーやハンバーグ、焼肉、鍋物、パスタ、焼き魚、煮魚、海藻料理、肉じゃが、豚汁など、通常、家庭で出るような手作り料理が日替わりで出てきます。
そして旗日や日曜日は休みなので、何も考えることなく家でたこ焼きパーティーをしたり、ラーメン屋さんで外食したりとバランスを無視して、自己の満足感を優先した食事をしています。とはいっても、食べ過ぎないように量だけは気にしています。
✅共通して気を付けていること
・甘い清涼飲料水は飲まない
・ウイークデイはなるべくバランスを意識した献立とする
・間食はあまりしない
・寝る時は空腹
・旬の食材を積極的に摂るようにする
・青魚を積極的に食べる
・食べ過ぎない
ことです。これだけ意識するようにしています。
これだとストレスが解消されない!という声が聞こえてきそうですが、ストレス解消法は食だけではありません。他にも色々ありますので、そちらも併せて行っていくことで食への依存を改善していくことができます。また、食を亢進させるグレリンは「睡眠不足」によって分泌が高まることが分かっています。なので「しっかり睡眠を摂る」ということも意識してみるいいでしょう。
まとめ
取り留めもなく長い文章になってしまったことをお詫びます。そろそろまとめようと思います。
まず、サプリメントや健康食品は「食事で摂れていない栄養素を補うもの」という位置づけとなっています。
人間は、車を例にとるとガソリンのように物体を動かす上で燃料となるもの、そして壊れた部品を交換するのと同じように、体の一部となる栄養素などを適宜補っていくということが健康を維持していく上で求められています。
これが適切に行われないと、燃料切れとなり動くことができなくなる、体の一部の部品交換ができなくるので、その部分の機能が低下するということが起こります。結果、調子が悪くなる、病気になりやすくなるリスクが増します。
ちょっと極端な例ですが、食事を摂れていないとこのような状態に変化していきます。この状態を改善するのが食事であり、サプリメントであります。しっかり食事を摂れていればサプリメントを摂る必要性はありませんが、偏食がある、又はストレスなどによりある栄養素の消費が激しい、高齢で栄養素をうまく吸収、代謝することができないなどがある場合には適切に摂取することは意味のあることです。
一方でサプリメントには特定の成分が凝縮されているので、アレルギーや代謝に関わる臓器への負担、薬への相互作用などの注意点もあります。特に薬への相互作用は深刻な状況へと発展してしまうことがあるので、事前に医師へ相談してから利用することが望まれます。
更に、食べ過ぎによる体や美容への悪影響をサプリメントによって改善するのはいい方法ではありません。何故かというと、体へのリスクが大きく根本的な解決法にならないからです。ダイエットは食事の量を減らすことで改善できるので金銭的にもったいないということもあります。
このようにサプリメントの使い方は注意点を加味して考えると、普段よりバランスの取れた食事を心がけることの重要性が分かります。食事の習慣は「すぐに影響を及ぼすものではない」ので軽視されがちですが、例えばがんや脳梗塞など命に関わる疾患に対して「確実」に関与しているので、普段よりしっかり心がけ、サプリメントを使わなくてもいいようなバランスの取れた食生活を心がけることが求められます。
とはいっても、あまりストイックにやってしまうと、それがストレスになり、過食に陥ってしまう…続かない…ということもありますので、緩めにストレスなく続けていくという心持ちで行っていきましょう。
また、食生活だけではなく、その他の生活習慣も併せて健康に役立ててていくということを行っていくことで、更に健康状態の向上、病気リスクの低減を進めていくことができます。なので、例えば睡眠時間の確保、規則正しい生活習慣、ストレスフリー、運動の習慣、過労の予防、腸内環境の改善、社会への積極的な参加など、トータルで自己管理に役立てていくということが、未来の自分への投資になると思い続けて行って下さいませ。
今は昔と違い、健康を害することのリスクがほぼ明らかになっています。先ほども申し上げましたが、生活習慣による悪影響はすぐには出ません。なので軽視されがちですが、科学的にそのリスクは明らかになっているので、愚直に信じてリスク排除を行っていくようにする必要があります。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。皆様の健康に少しでも寄与できたら幸いです。