経験者が語る。私が家庭内孤立から生還した方法
「家庭内孤立」という何やら危険な香りがする言葉をネットで見かけるようになりました。
それは家庭内孤立が増加していることを意味しています。
実は私も数年前に家庭内孤立を経験し、なんとかその状態を克服することができました。そんな私の経験をここに記し、悩んでいる方々の対策として生かして頂ければと思います。
この記事でわかること
家庭内孤立から生還した実例をしることができる
家庭内孤立の原因及び対処法についてしることができる
家庭内孤立を放置していたらどうなるのかしることができる
私が家庭内孤立から生還するために取った方法
私が家庭内の孤立から生還するために取った方法は「とことん嫁さんと話し合う」ことです。これをせずして家庭内孤立が解消されることはないと断言できます。
なぜか?それは「原因が分からない→対処法がない」からです。
これはどんなトラブルでも同じです。原因が分からないと対処のしようがありません。まずは原因を探ること、そのためには私を無視している中心人物(私の場合は妻)と腹を割って話し合い、原因を知ることから始めるしかありません。
原因を知れば、あとはそれを粛々と改善していくことです。
男にはプライドがあるために、まず「原因を聞く」ことができません。そして原因をしったとしても「行動する」ことができません。ないない尽くしで八方ふさがりですが、プライドを捨て(自分が悪いのでプライドを捨てはちょっとおかしい気がしますが…)行動を起こすことでしか改善することはできません。
実際にどのような状況だったのか?
まず、約半年間くらい妻との関係がギクシャクしていました。原因は何となくわかっていたものの、100%これだというのは分かりませんでした。そんな時、娘の塾の迎えを巡り口喧嘩となり、それから妻とは冷戦状態。夜ごはんだけはかろうじで作ってくれるものの、全く顔を合わせない状態が続きました。
そしてそれは娘たちに波及。最初は話しかけてくれていた次女も冷戦1週間経過したくらいから私を避けるようになっていきました。長女は最初から私を避けています。話しかけても片言の外国人のようで「うん、ううん」くらいしか話してくれません。
よく一緒に家族で出掛けていた休日も独りぼっち。家族で車は1台しかなかったので、私はどこへも出かけられず家に閉じこもり、次第にゲームを極めることだけが生きがいになっていきました。
完全な孤立期間は約2か月間に渡り続きました。寂しさに発狂しそうなくらい悩みに悩みました。そしてこの状況をどうにかしよう…と強く思い行動に移そうと計画を練りました。
原因は些細なことの積み重ねだった
私が家庭内孤立に陥った原因は「些細なことの積み重ね」でした。
✅些細なことの積み重ねリスト
- 妻からの夜の誘いを断ったこと
- 日曜日など家族で出かけるべき時に寝坊し続けたこと
- 妻の作った料理に文句をいったこと
- 子供たちの塾の送迎について「俺は行きたくない。お前が行け」と妻に押し付けたこと
- 妻の誕生日に独りよがりのプレゼントをしたこと
些細なことと書きましたが、捉え方によってはものすごく大事なことかもしれません。そして妻にとってはとても大きなことだったのだと思います。
事実、妻との話し合いでは、いろいろと辛かった…という言葉が漏れました。特に辛かったのが子供たちの送迎に対して文句を言ったことだったみたいです。
子供をワンランク上の学校に行かせたい、といったのが私でした。そのために通わせていた塾。その塾への送迎について「行きたくない」と言う私に怒りを覚えるのは、客観的に考えると「当たり前」といえます。
我が家は共働きで妻も朝から夕方まで一生懸命働いています。その間を縫って買い物、夕飯作り、子供の送迎などをこなしてくれています。一方、私は週末の掃除のみ、後は全部妻に任せっきりです。
昔の亭主関白じゃあるまいし、これでは妻が怒るのも無理はありません。おまけに夜の誘いを断る、日曜日に寝坊する、料理に文句を言う、訳のわからないプレゼントで困惑させるということが重なり、いつの間にか私は家族の中で孤立していきました。
伝え方が分からない…という人は伝え方講座を受けるのも手です。
まだ妻に愛が残っていてよかった
意を決した私は妻に予定を聞き、空いている時に居酒屋を予約して2人で出かけました。
✅なぜ居酒屋にしたのか
- 家だと周囲の目がないので口喧嘩に発展する可能性があること
- 子供たちに聞かれる可能性があること
- 美味しい食べ物、飲み物が妻の気持ちをほぐしてくれると思ったから
周囲に聞こえないか気を使わないように、半個室のような席を選びました。着席して飲み物と美味しい食べ物を楽しみながら、最初は他愛もない子供の話などをしてました。
ちょうど、2杯目が飲み終えた頃、着席してから30~40分経過したくらいで、「なぜ無視しているか」について聞いてみました。
「ここ数か月さ~なんか俺のこと避けてるよね。その理由を聞かせてくれる?」
「だってさ~ムカつくことばかりなんだもん。もう疲れたよ。もうこれ以上怒りたくないし、疲れるのも嫌だから無視することにした」
「で、無視したらあなたが反省して謝ってくると思ったのに、誤ってこないから余計に頭にきて子供たちも巻き込んで無視することにした」
その後は段々イライラが募り今に至るということ。
本当にヤバかったです。恐らくこのまま謝らない、無視してるワケを聞かなかったら、妻がドンドン私のことを嫌いになり、修復不可能になっていた可能性があります。
しばらく居酒屋で無視していた原因を聞き、更に私の口からごめんなさいの言葉が聞けたこと、そしてこれからどうしていけばいいか2人の関係性について決まり事を作ったこと、更に子供たちのことについて色々と話し合い、最後に仲直りの宣言をして店を後にしました。
ちゃんと話を聞かなかったら余計に拗れていた可能性がある
夫婦喧嘩には怒った後の冷却期間が必要で、更に関係を戻すタイムリミットというものがあります。
✅夫婦喧嘩と時間の関係
①夫婦喧嘩
↓
②怒りが収まるまでの時間が必要
↓
③お互い怒りが覚めて反省する期間(この時に謝り戻るのが理想)
↓
④反省する時間が過ぎるとなぜ謝ってこないのかという反発心が出てくる
↓
⑤反発心が怒りを生み相手のことが更に嫌いになっていく
(怒りを感じたくない=相手の存在を心から消す→無視、無感情)
↓
⑥亀裂が深くなり修復不可能
この時間軸は人とその時の喧嘩の内容になって異なりますが、最初の喧嘩から怒りが収まるまでは態度で分かります。
✅心の変化と態度の関係
②怒りが収まるまで→表情が暗い、ドアを閉める音が激しい、挨拶がない、あからまさに無視される
③お互い怒りが覚めて反省する期間→目が合う、あからさまな無視がなくなる、笑っている時があるなど
④反省する時間が過ぎるとなぜ謝ってこないのかという反発心が出てくる→ちょっと無視されているような気がする、目が合いにくくなる、夫婦の会話が減る。家族の中で孤立しているのが分かるようになる
⑤反発心が怒りを生み相手のことが更に嫌いになっていく→無視されることが多くなる、料理の質などが明らかに低下、妻が休日やアフター5に自分だけの予定を色々と入れ始める、スマホをいじっている時間が増える。確実に家族の中で孤立
⑥亀裂が深くなり修復不可能→上辺だけの関係ということが完全に分かるようになる、家で顔を合わせる時間が減る、妻の浮気を本気で疑う、孤立に慣れてくる
私の場合は④の段階だったので関係を修復することができましたが、⑤の段階まで進んでしまったならば、恐らく私が居酒屋に誘っても来てくれなかったでしょう。よってすんなり修復するには至らなかったと思います。
修復不可能な段階になってしまった場合はどうすればいいのか
大抵の人は謝ろうと思い妻に話し合いを求めたところ、ものの見事に断られた、無視された、としたら、心砕けてその後は「どうでもいいや」と投げやりになってしまうと思います。
しかし、それでは破局一直線なので回避しなくてはなりません。そのためにどうしたらいいか、それは「原因を自分で考えて外堀を埋めていく」という作業を行うようにします。
✅外堀を埋めていく作業の一例
- 家事を全く手伝っていなかった人は家事を手伝う
- 帰宅時間が遅かった人は早く帰るようにする
- 家族サービスがいまいちだった人は旅行などの計画を立ててみる
- プレゼントなどしていなかったという人は欲しいものをリサーチしてプレゼントする
- 罵声を浴びせてしまった人はラインやメールなどで謝る
とにかくこのように何かしらの誠意を見せて行かなくてはなりません。その為に、喧嘩の原因になったことについて考え、それを改善する努力を見せていくようにしなければなりません。
そして何より効果的なのは「相手の心を変えること」です。例えば高級なレストランに連れ出す、旅行に連れ出す、高級なプレゼントを渡す、大掛かりなリフォームを行うなど、大きな変化をもたらしてあなたのことなどどうでもいいという環境を作り出し、どさくさ紛れに仲直りするという方法です。
例えばちょっと不謹慎ですが、喧嘩中に地震などがあると、喧嘩のことなどどうでもよくなってしまい、大概いつの間にか仲直りしています。この心理を利用して、喧嘩がバカバカしくなるようなイベントを作り出します。
そして何より重要なのが諦めずに話し合いの場を設け、真摯に謝ることです。相手に無視されたり、反撃されたりすると逆上してしまう方がいますが、絶対にそれはダメです。ひたすら謝り続けましょう。相手が多少悪くてもこちらが謝りましょう。どう考えても向こうが悪く、その質が悪い場合にはまずこちらが謝り、そして相手も直してもらうようにしましょう。
とにかくどうでもいいチンケなことが原因ならば全てこっちが平謝りして仲直りするようにします。負けるが勝ちです。家族が散々になってしまうというリスクを考えたら安い物です。相手を手のひらを転がすようにして家庭を丸く収める方が長い人生を考えると絶対にいいです。
最後に、何が原因か分からず意味不明のまま無視されている場合
私の場合も何となく理由が分かっていたものの、「本当にアレが原因なのかな?」という感じでハッキリわかっていたという感じではありませんでした。
がしかし、娘の塾の送り迎えの一件から急に妻の態度が変わったので、「恐らく…」という感じではありました。
このように、何となく分かる場合は別として、まーーーったく分からない…というケースもあります。
この場合も私の時と同じようにズバリ聞いちゃいましょう。分からないなら聞くしかありません。
でも、長期に渡り孤立状態になっている場合だと、お互い意固地になっているので中々切り出せませんよね。
しかし、どちらかが切り出さないと進展はありません。分からないほどの軽微な原因なのに、お互いストレス状態のまま過ごすのは本当に時間の無駄。話をして原因とこれからの対策を話し合いましょう。
この時、お互い何らかの愛があれば継続可能ですが、全くなく、逆に全てが嫌いになっている、浮気しているなどがあると修復が不可能という場合もあるので、その場合は割り切って友達のような関係を築くか、今の状態を続けるか、別れるかという選択になります。
家庭内孤立は本当につらい
今回、家庭な孤立を経験してみて分かったのが、「家庭内孤立は普通に一人暮らしなどで孤立しているよりもつらい」ということです。
孤独と孤立を混同してしまい申し訳ないですが、一人暮らしで孤独になっている場合も人によっては孤立していると感じることがあると思います。この場合の孤立も辛いですが、社会的にみてよくあることであり、特に何か問題が起こって生じていることではないので、辛いことですが、許容できることの範囲内(全体をみて)なのではないでしょうか。
一方で家庭内孤立の方は完全に「のけ者」扱いされている状態なので精神的ストレスが半端ないです。自分に非があるのに言葉が合っていない感がありますが、イジメのような印象も受けました。
なので、「一刻も早く元の状態に戻りたい」と常に思っていました。
恐らくこのストレスはものすごく体に悪いです。私の場合は孤立期間を過ごしただけで体重がプラス5キロ(たった2か月で)、更に原因不明の湿疹が夜になると全身に出てそれが痒くてどうしようもない…という状況が続きました。(もちろん、家庭内孤立が解消したらすぐに改善)
このようにいいことは何一つありません。子供の教育にも悪影響なのですぐに関係を改善して毎日楽しい生活を営むようにした方がいいです。
予防には「親しき中にも礼儀あり」これに尽きる
夫婦の関係が破綻する原因の多くは「相手への思いやりが低下する」ことが原因です。
✅思いやりが低下してしまう原因
- 仕事が忙しい
- なれ合い
- 知らず知らずのうちに形成されている主従関係
- 行為、家事が当たり前として捉えられてしまうこと
- 当たり前と思うことにより、相手への要求が高くなる(できていないと不満に思う)
「仕事で気を使っているのに家庭でまで使うなんてやってられん」と思う人もいるでしょう。しかし、人と人とがいい関係でやっていくためには、多少気を使わないと絶対に無理です。聖人君子なら気を使わずともやっていけると思いますが、そのような人物はそうそういません。
これは私の場合ですが、気を使うといっても一緒にいる時だけ軽く気を使うだけなのでほぼ負担になるということはないと思います。逆に気を使うような習慣及び思考を続けることにより、それが当たり前となって、気を使わないと逆に変な気分になるという変化も出てきます。
また、気を使うようになると、同時に「感謝の念」も芽生えてきます。感謝するようになるとそれが相手へのリスペクトに繋がり、結果、気を使わずとも相手の居心地がよくなるので家族全体の雰囲気がよくなります。
何となく喧嘩や孤立はめんどうなので表面だけ取り繕って適当に機嫌を取るようにしている、でもいいですが、できれば根本的に考え方を変えて相手への感謝、リスぺスクトの気持ちをもって生活する方が、相手への言動や行動が変わってくるので、関係性へのいい影響も大きくなると思います。
↑この本を読むと何となく家族というものの考え方が楽になります
経験者が語る。私が家庭内孤立から生還した方法まとめ
料理に文句を言うなど、日ごろから夫婦に関係性にヒビが入っていた時に、娘の塾の送り迎えを頼まれたことに腹を立てて断ったことが原因となり家庭内で孤立してしまいました。
その状態はひどくストレスで体重の増加や原因不明の皮膚炎に悩まされました。
私は状態打破のために「妻と徹底的に話し合う」という方法を選びました。その結果、無事に仲直りして家庭内孤立から生還することができました。
関係を戻すことができたのは妻にまだ愛があったこと。もし、関係を修復しなかったならば、更にお互いの溝が深まることによって愛が消えうせ、時間の経過と共に修復不可能になっていたことが予想できます。
今回のようなつまらないことで夫婦及び家族の関係が悪化するのは本当にバカバカしいの一言です。なので、意地をはらずに、現状に流されずに、一刻も早く話し合って原因を突き止め改善するようにした方がいいというのは間違いありません。
二度と家庭内孤立はしたくない…。と思ったので私なりの予防法を考えてみました。予防には「親しき中にも礼儀あり」を徹底すること。仕事しながら家事をこなしてくれている妻に感謝&リスペクトの念を抱き日々生活することが大事だという結論に至りました。
妻だけではなく子供や友人、自分の親、職場の同僚などに対しても同じことがいえます。毎日同じことの繰り返しなので忘れてしまいがちですが、礼儀、感謝、リスペクトの心をもって生きていくのと、不満、イライラ、ストレスの念を持ちながら生きていくのとでは、人間関係はもちろん、自分の幸福感や健康状態にも関わってくることなので、「ものすごく大事」だと思います。
もちろん、本当に性格が悪くて嫌な人もいます。そのような人と付き合っていかなくてはならないという場合は卑屈になり不満やストレスが多くなる時もあります。そんな時は
- 離れられるなら離れる
- 関係性を第三者に変えてもらう(上司や子供、友人などを味方につけるなど)
- 付き合い方を変える
- 自分の態度によって相手を変える
という選択肢があります。どれがベストかはその時々によって異なりますが、自分が関係悪化の原因になっていることもあるので、それも含めて考える必要があります。
以上で私の体験及び考え方に変化になります。
少しでも皆さんの悩みに役立てて頂けたら幸いです。
↑離婚しないという考え方もあります
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