ストレスがつらい時「反応しない練習」の本の通り実行したら楽になった件
昨日(2021年1月7日)、東京におけるコロナ感染者が過去最高の2,447人になりました。そして今日(1月8日)から一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)に緊急事態宣言が出されました。
また辛いトンネル生活になるのか…と暗い気持ちになっている人が多いはずです。
このようなコロナストレスを始め、コロナ不況によって職を奪われてしまった人、普段よりいろいろ考えてしまい精神的につらい状態が続いている人など、ストレスを抱えている方が多くなっています。
このストレス対策として注目されているのが「反応しない練習」という本です。こちらの本に主訴となっている「反応しない練習」は果たしてストレス緩和に役立つのでしょうか。
今回の記事でわかること
- ストレス対策法を知ることができる
- 考えない練習の効果を知ることができる
- 考え方の種類を知ることができる
- 人生がちょっと楽になるかも
- 人目が気にならなくなる
まずは書籍のご紹介
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作者は「草薙 龍瞬(クサナギ リュウシュン)」氏。僧侶で「興道の里」代表。東大法学部卒。現在、インドで仏教徒とともに、社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗教に属さず実用的な仏教の本質を仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしています。
草薙氏が書いた書籍「反応しない練習」は2015年発売にも関わらず、Amazon書籍ランキングで現在(2021年1月8日)87位となっています。
本の副題として「あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な考え方」とあるように、悩みやストレスの解消法について書かれています。
こちらの本は考え方、脳のくせを変えていくことによって、悩みによって生じる心の不具合を対策していくという内容となっています。
ざっと、本の要点をご説明します
反応しない練習の要点
- 悩みや情報はまず受け止めて理解する
- 理解したのちになぜ反応したのかを考え、その理由が合理的かどうか検証する→対策すべきは対策、どうでもいいこと、どうにもならないことは忘れる
- その上で、好き嫌い、良し悪し、相手の意見などを判断せずに自分に役立つかどうかだけ考える
- 自分を否定しない。マイナスの感情を持たない。自信が欲しい時は体験を積むことだけを考える。そして「快」と思うことを大事にする
- 妄想をするのをやめる(確かめようのないことは放っておく)
- 妄想や悩みよりも「今の行動」に集中するくせをつける→歩いている、息を吸っている、話をしているなど
- ①ニュースや他人の言動などに反応せず自分で考えて正しく理解する。②悪い反応である三毒(金銭欲・感情をぶちまけること・無知)を改善。③人々の幸せを願うこと。以上3つの正しい生き方を持ち続け、それを心の拠り所とする
要となるのは、やはり悩みや情報は一喜一憂せずに「まずは考えること」。そしてしっかり考えて理解した後にどうするか決めることです。決める際も、自分や相手を判断、否定せずに、自分に役立つかどうかだけ考えるようにする。そして考えを引きずったり妄想に悩まず、自分の今に集中するようにするという考え方です。
数年前にちょっと悩みがあり、いろいろと落ち込んでしまい訳の分からない妄想に取りつかれ、更にストレス状態に拍車がかかり、心身共に疲れ果てていた私は、藁をもすがるつもりでこちらの本を読み、書かれていることを実行にうつしました。
その結果はどうなったのでしょうか?
悩みを抱えていた40代の男(私)
その時私は悩みを抱えていました。それは一人のお客が原因でした。
私はある小売業をしているのですが、一人の男性のお客に対して私がおすすめした商品に納得がいかなかったらしく、電話やメールにて苦情が入っていました。
「高いお金を支払っているのに全く納得がいかない」
「あなたの店はダメな店だってことを口外してやる」
「グーグルレビューで公開するつもりだ」
など、様々なことを言われてしまい、今までこのような経験がなかった自分はかなりの衝撃を受けました。そして、小さい店なので「悪い評判が流れて売り上げが減ってしまったらどうしよう」などの妄想がずっと頭に中にある状態となっていました。
更に悪かったのがその男性が忘れた頃にやってくること。本当は出入り禁止にでもしたかったのですが、そうすることで「逆切れして嫌がらせされるかも…」と考えると何もできませんでした。
男性は店にやってきてはグチグチと過去の気に入らなかったことを口にしては、今現在の些細なサービスのほころびをつついて私を苦しめ続けたのでした。
この悩みがどんどん私の中で膨らんでいき、やがて寝ても覚めてもずっと頭に中に居続ける状態になってしまいました。「ここで何かアクションをとらないとおかしくなる」と思った私は、「反応しない練習」という本を購入して読んでみることにしました。
ストレス状態の時に「反応しない練習」を読み私が実行したこと
本を2回読んで理解した私が実行したことをご紹介します。
私が実行したこと
- 答えの出ない妄想はしないようにして今に集中する
- 人それぞれいろいろな意見があるので相手の言動の良し悪しを判断しないこと→自分の役に立つ部分だけを拾い上げる
- 相手がなぜそのような行動に出るのかの根本を理解する
「反応しない練習」という本には先ほど挙げたようにたくさんの教えが掲載されていますが、全部を実行することはできないので、上にあげた3項目だけを意識してストレス対策をするようにしました。
まずは妄想をしないようにして今に集中すること。
これは頭では分かっていますが、なかなか実行するのは難しかったです。悩みというのは勝手に頭に浮かんでくるものです。その勝手に浮かんでくることを浮かばないように制御するのは常人では難しいです。
しかし、そんなことを言っていては何も始まりません。とにかく浮かんできては違うことを考える、又は今に集中するということを繰り返しました。
次は意見や考え方は人それぞれ違う、なので、そこに主観を入れずに「あ~そう考えるんだ」と思うようにしました。そして、相手の言葉の中に「自分に役立つこと」があるならば、その言葉だけを拾い上げて自分のものにするように心がけました。
具体的には「お前本当に頭悪いな。お前がおすすめした料理はいくら体にいいといっても不味いんだよ。こんなもん高い金払って食えるかよ」と言われたとします。この中の悪口部分は全て排除し、「体にはいいけど不味い」という部分だけに注目します。
結果、「不味い→美味しくすれば皆が喜んでくれる」という店の問題点を指摘してくれた→改善すればたくさんのお客様に喜んでもらえる→店の繁盛に繋がる、というように考えて料理の味の改善に取り組みました。
最後は「なぜ相手がそのような行動に出るのかを理解する」ことです。行動の良し悪し、好き嫌いなど自分の主観は入れずに、なぜ相手は自分に対してこのような仕打ちをするのかを考えてみました。
その結果、「承認欲求」が関係していることに気が付きました。承認欲求とは、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求です。
✅つまり、相手は
- 自分の意見を尊重してほしい
- 自分をもっともてなして欲しい
- 俺はお前の店が好きだ、だからこそ自分が思う通りの味になって欲しい
私の料理が不味いことを認めさせたい、改善させたいという想いが強くなりすぎてしまい、結果、攻撃的になってしまったという考えにたどり着きました(もしかしたら違っていたかもしれませんが)。
その結果どうなったのか?
いきなりは何も改善しませんでした。しかし、「今に集中する」ことはかなり役立ったと思います。常に今・今・今と感えて妄想を切り捨てます。これが癖になってくると、次第に妄想によって自分を苦しめるということがなくなってきます。
妄想を切り捨てられるようになるまで2週間。妄想する時間が少なくなってきたなと実感できるまで2か月ほどかかりました。
そのスピードをアップさせてくれたのが「相手が私が憎くて困らせていたのではないと理解できたこと」です。そして、「不味いといわれた料理を改善して、文句を言ったお客さまに再びお出しようと改良する」という境地に考えが変わったことです。
もし仮に、この客が私が憎くて単に嫌がらせのために「不味い」と言っていたという理解に達したのならば、このような変化はなかったと思います。仮に憎くて言っていたと理解したのならば、私もその人が憎い、嫌いとなり、不味い料理を改善することはなかったと思います。結果、一部の人に不快な味の料理を出し続けてしまい、店にとって打撃となっていたと思います。
更に、「人それぞれ考えが違う、だから主観を挟んで良し悪し、好き嫌いをその時の感情に出すべきではない」と意識したことで、人間関係がとても良好になりました。この考え方が素晴らしいと思います。夫婦喧嘩なども激減しました。
その3か月後
その三か月後、相変わらず、私にストレスを与える客は定期的(2週間に1度くらい)に私店に来ては過去の気に入らなかった点をほじくり返してくるというストレスフルな状態が続いていました。
しかし、その行為を私は「もっと相手にして欲しい、そしてもっと美味しい料理を出して欲しい」という要求の裏返しだ思うようにしたことで、以前よりもストレスを感じなくなっていきました。
更に、店が終わってから、不味いといわれた料理の改良に取り組みやっと完成させたのでした。
「よし!リベンジだ」文句をいい私にストレスを与えた客が来店した時に、「もしよろしければ…」と前置きして納得してもらい、その料理を彼に食べてもらいました。
すると…
「合格点とはいえないけれど、前よりは全然いい」という意見を頂くことができたのです。そして、彼からの嫌味はその日を境になくなりました。
ちょっと出来すぎの話でまるで小説のようですが、たまにはこんなこともあります。人間には色々な人がいて、中には嫌味などを言って傷つける人がいますが、実は独りよがりですが、その人なりの考えがあっての行動となっていることが多いのです。
つまり、世間一般が全く予想できない「ちょっと偏った思想」と、それに対する表現方法も間違っているが故に、意図せず他人をひどく傷つけてしまうという状況になってしまっています。
このような相手の攻撃対象になってしまった場合、ほとんどの人はその行動を理解することができません。なぜかというと「ひどく傷つけられた」というショックが大きくなってしまい、理性的に物事を考えられなくなるから。
このような時に「反応しない練習」に書いてあった
「人それぞれいろいろな意見があるので相手の言動の良し悪しを判断しないこと→自分の役に立つ部分だけを拾い上げる」
という教えが大変役に立ちました。
総評。「反応しない練習」は大いに役に立ったという結果に
今回のケースでは大いに役に立ったという結果になりました。まさに「ハマった」という感じです。
しかし、もし単に悪意がある場合だったらどうだったのでしょうか?特に私の店に繁盛して欲しくない、だから嫌がらせのために「不味い」と言い放ち、その後も大きな声で文句を言い、他の客に「不味い店」ということをアピールし続けた、ということもあり得ます。
もし仮にそうだったとしたら「無視して出入り禁止」でいいと思います。すぐには判断できないと思うので、少し様子を見て、不味いといわれたメニューの改良をしてからでもいいでしょう。
でもその前にお客の真意を見抜くことも必要です。真意を見抜ければ様子をみるという手間も必要なくなります。
ズバリ、見抜くポイントは「真剣かどうか」だと思います。単なる嫌がらせでやっている場合、性格が悪くてやっている場合は真剣さがあまりありません。というか、表向きは真剣に見えても「言葉が全く足りない」場合が多いです。
✅例えば料理が不味い場合
単なる嫌がらせの場合(悪意がある)
「この料理美味しくなかったね」「見た目もよくない」「こんな料理に金なんか払えないよ」
程度の言葉しかでてきません。
店を心配して言ってくれている場合(愛がある)
「この料理不味いね」「他の〇〇は塩味と辛味があって美味しかったんだけど、こちらの料理は味にアクセントがない」「健康を意識して作っているのは分かるんだけど、たまに食べる外食には健康はあまり求めていないんだよね…」
など、いろいろな言葉や対策法がでてきます。
更に、こちらの提案に応えてくれるという特徴もあります。例えば「食材メーカーを呼んで素材の味比べがあるので〇〇さまもお越し頂いて食材選びをしていただけませんか?」という頼みごとをした場合、愛があれば必ず参加してくれますが、単なる嫌がらせや性格が悪いといった場合は絶対に参加してくれません。
とにかく、善意や単にかまってほしいが故に厳しいコメントを発する方は、その店が好きで「自分の店」のように思っているが故に、その裏返しとして感情的になることが多い、なので、真剣に向き合っているという特徴があります。
以上のような「判断」をする大切さをこの本は私に教えてくれました。素晴らしい書籍だと思います。
でも「反応しない」は全てにおいて正しいのか?
常に相手の意見や情報を俯瞰して喜怒哀楽として表現しない、自分の意見と戦わせるということをしないというのは果たして全てにおいて正しいのでしょうか?
私はかなり悩みました。
✅反応しないことによるメリット
- トラブルを避ける
- 人間関係を良好にする
- ストレスを緩和させることができる
✅反応しないことによるデメリット
- 人間らしくない
- ストレスなどが減るが、よろこびも減りそう
- リアクションが薄くなるので逆に人間関係に問題を生じさせそう
「反応しない」ことはこのようなメリット・デメリットがあります。なので、全ての人・ケースに適応となるということではないと思います。
これは理想ですが、いいこと、楽しいことに対しては無条件で感情をあらわにして爆発させるようにし、逆にネガティブなこと、反対意見などに関しては感情を入れずになぜそうなったか、そう思っているのかについて理解するようにする、というような棲み分けをするのがベストだと思います。
だって、素晴らしいことに対しても、感情を入れずに俯瞰してそれを理解するってマイナス要素大きくないですか?友人が就職試験に合格した!という連絡をもらった時に、瞬間的におめでとう!と自分のことのように喜ぶのが普通であり、それをしないで俯瞰して考えていると「なに?うれしくないの??」と変に思われてしまいます。
なので、考える必要もなく嬉しいこと、素晴らしいことに関しては感情の赴くまま爆発させるのが正しいと思います。
しかし、一方は感情を爆発させる、そして一方は感情を出さずに俯瞰するようにするというのは可能か、と問われたらそれは何ともいえません。
私の場合はストレスを感じやすく心が弱いという特徴があるので、全てにおいて感情を出さずに俯瞰するようにしています。その上で、いいこと、素晴らしいことに関してはとりあえず「笑顔+オーバーリアクション」をするように(演技)しています。
そうすることによってその場の雰囲気を壊さないで済みます。その上で俯瞰、理解して心のこもった言葉を贈るようにしています。
この反応は実は皆自然にやっているのかも
先ほど、「私はストレスを感じやすく心が弱いので、全てにおいて感情に出さずに俯瞰するようにしています」と書きましたが、実はストレスを感じやすい人というのは自然に「感情を表に出さない」という行動を行っています。
なぜか?それは「その反応が正しいかどうか自信がないから」です。無用なストレスを生みたくないので、もし、「嬉しい」という感情が間違っていたならば、相手を傷つけてしまう、もしくは自分が恥ずかしい思いをするなどを先回りして考えてしまうため、リアクションを取ることができないのです。
書籍「反応しない練習」では、相手の言葉や情報は俯瞰して理解するようにするだけにして、善悪や好き嫌いといったジャッジを下さないことが大事にと説いていますが、神経質な方々は自然と反応しないという行動をとっているのです。
ただしその中身は違います。前者は感情は心の中にあり、単にそれを押さえつけているだけ。一方、書籍ではジャッジを下さずに、結果、感情を持たないようにすることで反応しないという状況を作り出すとしています。
この違いは大きいと思います。
ぜひ、神経質で感情を自然に表現することができない、という人は俯瞰して理解し、善悪や好き嫌いのジャッジを下さないというように変えて行ってみてください。
そして、自分の為になる部分だけを拾い上げ、今後に生かしていくというようにしてみてください。
神経質な人は考え方を変えてみる
自分に自信がない
↓
相手の意見や情報に対する自分に意見が正しいかどうか不安
↓
リアクションがとれない、意見がいえない
↓
何となくむなしい、自分だけ仲間外れ感がある
これを以下のように変える
自分に自信がない
↓
相手の意見や情報に対して善悪、好き嫌いのジャッジをくださない(でも、リアクションや顔芸は忘れない)。そしてその意見、情報の本質をしっかり考えて見極める
↓
相手の意見、情報から自分のためになるものだけを拾い上げる
↓
自分の人生に活かしていく
まとめ
結論として「反応しない練習」という書籍の考え方を実施した結果、明らかにストレス軽減効果があり、更に、日常生活においてもいろいろと捗るようになったという結果が得られました。
ただし、そのまま全てを鵜呑みにするのではなく、ちょっと自分なりにアレンジが必要になります(リアクションが薄いと人間関係に問題が生じる恐れがあります)。
コレだけは言える!というのは「苦労していろいろ考えたらそれが身になる」ということです。
人付き合いが苦手…という人はいろいろな本を読み、経験して勉強し前進していくことで、段々と生きやすい自分に変わっていくことができます。また、環境を変化させることができます。
生きるのが楽になる、むしろ前向きになってきたら、今度は自分の思想や見えてくる景色が変わってきます。そうなるとしめたもの。思考が常に安定してくるのでいいことばかりが舞い込んでくるようになります。
ということで最後まで読んでいただきありがとうございました。
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