真夏の体育館でやる中高生の部活ってヤバくない?その危険度と対策法について
毎日暑くて嫌になるよね
ホントだよね。炎天下にいると具合が悪くなる…
ヤバいのは体育館でやる部活じゃない?
そうだよね。子供たちが心配だよ
猛暑が続いています。毎日、スマホのウェザーニュースアプリにて天気と最高気温をチェックしているのですが、このところ(現在2023年8月2日)毎日、最高気温が35℃以上の猛暑日となっています。
これにより、2023年8月1日のニュースで7月24日~30日の一週間における熱中症による救急搬送された人数は、全国で11,765人と発表が。熱中症で搬送される方は2018年は92,710人、次いで2019年が66,869人、2020年が64,869人とかなりの数に上っており、夏の気温上昇による危険性が浮き彫りとなっています。
そんな中、気になるのが「体育館の中で部活をしている中高生」。エアコンがなく、しかも無風の体育館の中は蒸し風呂のようです。そんな中、激しい運動をするのは本当に大丈夫?と心配になります。
もちろん、直接日光が当たる外での運動の方がリスクがありますが、室内の運動も同じように熱中症のリスクが生じます。
その危険度と対策法についてご説明していきたいと思います。
今回の記事でわかること
- 今の夏の気温は異常なのかどうか
- 中高生の体育館での部活の現状
- 室内の部活動の何が危険なのか
- 外の部活と室内の部活との危険性の違い
- 体育館の運動部は今後、どのようにすればいいのか
最近の夏は温暖化で確実に暑くなっている
2022年の日本の平均気温の基準値(1991~2020年の30年平均値)からの偏差は+0.60℃で、1898年の統計開始以降、4番目に高い値となりました。日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.30℃の割合で上昇しています。
気象庁 日本の年平均気温
気象庁の統計によると、100年で1.3℃上昇ということなので、100年前の1923年(大正12年)の気温に比べて1.3ほど上昇しているということになります。このところ、ここ最近、関東地方では36℃くらいの日が多くなっていますが、100年前は34.7℃くらいだったということになります。
1℃といえば打ち水と同じくらいの体感温度の違いがあります。夏の風物詩、打ち水は体感温度を1℃ほど下げることが期待できるといいます。ちょっと分かりにくいかな?
風速が0.5mほど違うだけで、体感温度が1℃違うというデータもあります。無風の場合は顔に風を感じることはありませんが、0.5mになると顔に風が当たるのが分かるようになります。
100年前に比べてこのくらいの違いがあるということになりますね。
更に「2020年の東京都の年平均気温は、100年前の熊本県の年平均気温を上回っている」ということも分かっています。熊本市の平均気温は東京よりも約1.5℃高いので、先ほどのデータとほぼ一致しています。
気温の上昇幅は首都圏に行くほど高くなっており、ここ100年で東京で3.3℃、大阪で2.6℃、名古屋で2.9℃、年平均気温が上昇しているという結果が出ています。
その理由は「ヒートアイランド現象」だといわれています。緑地や水面の減少、アスファルトやコンクリートに覆われた地面の増大、自動車や建物などから出される熱(排熱)の増大、ビルの密集による風通しの悪化などにより、気温が上昇してしまうとされています。
気温が上昇している原因は「温暖化」だといわれている
地球温暖化の原因は二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が濃厚だといわれています。温室効果ガスが地球の周りにたまり、濃度が高まると、太陽からの熱が宇宙へ戻らず、気温が上昇していきます。
太陽から地球に降り注ぐ光は、地球の大気を素通りして地面を暖め、その地表から放射される熱を温室効果ガスが吸収し大気を暖めています。この温室効果ガスがゼロになると、地球の平均気温はマイナス19℃になる(現在は14℃)といわれています。
要するに、太陽光によってもたらされた熱が空気中を漂うガスによって冷めないようになっているのです。当然、ガスが少なければ気温が低下し、多くなれば気温が上昇するということになります。
この温暖化ガスが増え続けている
温暖化ガスの一つである二酸化炭素濃度は、産業革命前1750年の280ppmから2013年には400ppmを超え、2022年5月の平均値は観測史上最高の421ppmに達しているという発表がなされています。実に40%以上も増加しています。
二酸化炭素以外のメタン、一酸化二窒素も、過去80万年間で前例のない水準まで増加しているとされています。
今後はいったいどうなっていくのか?
21 世紀中に地球の平均気温は1.5℃以上上昇するという予想がなされています。しかし、これはある程度楽観的な予想であり、最悪のシナリオでは、世界の平均気温は今と比べて3.5℃も上昇するとされています。
そんな中、子供の部活動が疑問視されている
真夏の炎天下でスポーツに打ち込む、高校の部活動。とはいえ最近、夏の試合会場で「熱中症」を発症したというニュースに触れることがあります。
最近ではこんなニュースがありました。
女子中学生が部活帰りに死亡 熱中症か?20分おき水分補給・配慮していたのになぜ 医師「運動で疲労と熱、要素が重なってしまった」
山形・米沢市の歩道で中学校に通う女子生徒(13)が、ヘルメットをつけたまま意識不明の状態で倒れているのが発見されました。病院に搬送されましたが、その後死亡したということです。
死因は熱中症とみられています。
部活動後に、暑い中、日陰のない歩道を自転車で走っている時に熱中症の症状が発生→死亡ということが予想されます。部活動が過酷だったのか、それとも帰り道の日陰のない歩道が原因だったのか、それとも両方が関わったのか、当日の体調はどうだったかなど、様々な要因が考えられます。
いずれにしても、尋常ではない暑さだということと、人間自体が暑さに慣れていないこと(エアコンの普及によって)、そして、個々によって体質やその日の体調が異なることなど、様々な要因が重なり発していているので、要因一つ一つを周知して予防していくことが大事になります。
熱中症のリスクになること
- 暑い中の部活動
- 暑熱順化が済んでいない体
- 体調不良の時
- 長時間の屋外作業
- 高温+高湿度+日差しが強い環境
- ダイエットしている時
熱中症は予告なしに急にやってきます。ちょっとおかしいかな…と思った時はもう遅い可能性があります。早め早めに対策するようにしましょう。
このようなニュースが出ていることもありますが、真夏の部活動が疑問視されています。甲子園などを観ていても「足がつる選手が続出している」こともあり、「このままで大丈夫かな?」と心配になってしまいます。
Yahoo!JAPANの防災速報アプリをいれていると、「熱中症の危険あり 運動は原則禁止」という通知が毎日のように入ります。
このような状況の中、なぜ部活は大丈夫なの?と不思議に思いますよね。実際には高齢者や小さな子供、慢性病を抱えている方、暑さに慣れていない方などを対象にしているのだと思いますが、実際に事故も起きているので、やはり「部活動をしている子供たちも心配…」となります。
気にされているのは炎天下のスポーツ
熱中症から身を守るのに必要なことは、危険な暑さを避けることに尽きます。日本の今の異常な暑さを考慮すると、昼間は運動はもちろん、外出も避けるのが最も安全。
日陰にいると涼しさを感じる理由の1つは、日向と日陰の路面温度の差にあり、炎天下では20℃くらい違うこともあります。日向のうだるような暑さは、地面から放射される熱の暑さが加算されているといいます。
更に「赤外線放射温度計」という表面温度を測定することができる温度計で計測すると、日向と日陰では先ほども申し上げた通り約20℃違うという結果があるブログにて明らかになっています(そのブログはこちらから)。
炎天下にいることで暑くなった地面からの輻射熱及び、自分自身も20℃程度温められるということになるので、周囲からも、自分自身も過剰な熱に苦しめられるということになります。
なので、やはり炎天下でのスポーツは暑いので熱中症に注意が必要ということになります。
実際に中高生での熱中症発生率でも、中学校の1位はテニス、2位は野球、3位はバスケットボール。高校の1位は野球、2位はサッカー、3位はテニスという結果となっており、圧倒的に野外の部活動時に熱中症が発生件数が多いという結果になっています。(熱中症 中高の部活で年間3000件 ソフトボール・野球で高い発生率参照)
しかし、体育館の中の部活もめちゃくちゃヤバい
熱中症事故のリスクは運動時には特に高まることが知られていて、運動時だとそれほど高くない気温(25~30℃)でも湿度が高いと熱中症を引き起こしてしまいます。
文部科学省の調査(※)では、全国の公立学校の普通教室における空調設備の設置率は93%ですが、体育館はわずか9%。全く設置がなされていないというのが現状です。
茨城大学の研究では、夏季の大学体育館において、予測される気温より体育館内の室温はおよそ2℃高くなるということが分かっています。
また、夏場の部活動における熱中症者数の割合では中学校にて1位:テニス 2位:野球 3位:バスケットボール 4位:陸上競技 5位:サッカー 6位バレーボールでは3位と6位に体育館でのスポーツがランクインしており、更に高校では1位:野球 2位:サッカー 3位:テニス 4位:バスケットボール 5位:陸上競技 6位:バレーボールとこちらも4位と6位にランクインしています。
このように、屋外競技と同様に注意が必要ということがわかります。
✅体育館の危険なところ
- 風がない
- 湿度が高い
- 気温が外気温よりも高い
- 直射日光がないから油断する
順番に説明しますね。
①風がない
体に風を当てると汗の蒸発を促進し、体にたまった熱を効率よく放散することができます。
体重70キロの人は100ミリリットルの汗をかいた場合、そのすべてが皮膚表面で蒸発すれば、体温は約1℃下げることが可能ですが、湿度が高かったり、風が全くない状況だと、汗による体温低下が効率よくなされにくくなるので、熱中症への罹患率が上昇します。
部屋を閉め切って風通しが悪かったり、雨が降って湿度が高くなった場合など、高温多湿の条件が揃えば室内でも熱中症になる危険度が増すので注意しましょう。
②湿度が高い
熱中症は同じ温度でも湿度が高いほどリスクが上がります。環境省が出している熱中症リスクの指標となる暑さ指数(WBGT)では、湿度の影響が全体の70%を占めるとしています。即ち、湿度が高いのは最も熱中症のリスクになるということです。
体育館は風通しが悪く熱や湿気がこもりやすいという傾向があるため、特に大勢の人が集まってスポーツをするような場合には注意が必要になります。
③気温が外気温よりも高い
先ほどもご紹介しましたが、茨城大学の研究では、夏季の大学体育館において、予測される気温より体育館内の室温はおよそ2℃高くなるということが分かっています。
外気温よりも室温が高くなり、更に風通しが悪く湿度も高い…とくれば危険であるということになります。
④直射日光がないから油断する
太陽の日差しを直接浴びていないから大丈夫!と油断してしまい、無理をしてしまうことによって、気が付いたら熱中症になっていた…ということもあります。熱中症にリスクは「湿度7:輻射熱2:気温1」です。大事なのは湿度です。直射日光は輻射熱ですがそれほど大きなリスクではありません。体育館は湿度が高くなりますのでリスクが高いと覚えておきましょう。
現在、この過酷な夏の部活動に対して対策はなされているのか?
- 猛暑により名古屋市が学校での体育の授業・部活動を中止
- 夏休みのプール中止が相次ぐ
- 体育館にエアコンを設置する学校も出てきた
- 昔のように飲水を禁止することはなく、積極的に水分摂取を促している
- 週当たり2日以上の休養日(土日は1日以上)を設けるというルールを設ける(スポーツ庁のガイドライン)
- 保健室では「熱中症対応グッズ」の点検を行い、物品の過不足を補う
- 「体調が悪いときは、すぐに活動を中止しよう」という呼びかけの実施
- 練習時間を、なるべく気温の低い早朝や午前中に設定
- 気象庁の高温注意情報が出された地域・時間帯では屋外の活動を原則として行わないよう指導
- 熱中症に対する教育を徹底する
- クエン酸とアミノ酸、塩分の摂取を指導
- 短い休憩をこまめに入れ、めりはりをつける
- バランスのある食事を摂らせるようにしている。また睡眠時間は必ず7~8時間は取るように指導
- 大会などへの参加生徒の適切な選別をする
以上はちょっと調べた結果でてきた対策法になります。現代では科学的な情報を取り入れて、このような対策法を行っている部活動が多いようです。
しかし、実際には「バラツキがある」というのが現状で、昭和の頃と全く同じような体制で部活動が行われているケースもあるようです。
スポーツ庁からも以下のようなガイドラインが出ていますが、あくまでも「お願い」なので強制力はないように思えます。
運動部活動における熱中症事故の防止等について(依頼)※教育関係機関向け
しかし、最近の中学生の事故によって文科省が動き出した。
今後は、文科省とスポーツ庁がタッグを組んで、熱中症対策を徹底するようになると思われます。
熱中症対策としてスポーツ庁が呼びかけているのが
- 学校での教育活動を実施するかどうかの判断に熱中症警戒アラートや暑さ指数を用いること
- 活動前や活動中、終了後に水分や塩分の補給ができる環境を整えること
- 児童や生徒がみずから体調管理を行えるように指導をすること
運動に関する指針(熱中症警戒アラート、暑さ指数)
気温 | 暑さ指数 | 熱中症予防運動指針 |
35℃以上 | 31以上 | 運動は原則中止 |
31~35℃ | 28~31 | 厳重警戒 (激しい運動は中止) |
28~31℃ | 25~28 | 警戒 (積極的に休憩) |
24~28℃ | 21~25 | 注意 (積極的に水分補給) |
※暑さ指数:①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標「0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度(気温)」
今後は夏の部活動がかなり制限されるかも
以上のような指針が出されたので、まず危険な暑さの時は部活動は行われなくなると思います。気温だけだと高湿度によって熱中症の危険性が高まるので、暑さ指数がメインに扱われると予想します。
暑さ指数早見表:31以上になる条件
- 気温30℃+湿度85%以上
- 気温31℃+湿度80%以上
- 気温32℃+湿度70%以上
- 気温33℃+湿度65%以上
- 気温34℃+湿度60%以上
- 気温35℃+湿度55%以上
- 気温36℃+湿度50%以上
- 気温37℃+湿度45%以上
- 気温38℃+湿度40%以上
- 気温39℃+湿度35%以上
- 気温40℃+湿度30%以上
この指標を守るとなると、かなりの日数においてスポーツをすることができないとなります。今(8月12日)行われている高校野球なども部活動なので、行う暑さ指数が31以上になる場合は「試合を行うことができない」となりますね。
しかし、実際にはクーリングタイムを用いているだけで、暑さ指数が31になるような日でも試合が中止になることはないので、まだ浸透していないといっていいでしょう。
暑さ指数31以上は部活禁止になったらどうなる?
✅暑さ指数31以上になったら部活ができない時に予想されること
- 高校野球が中止になる
- 真夏の部活動、大会が軒並み中止になる
- 体育館には冷房が必須となる
- 室内ドーム型のサッカー場、野球場が増える
- 夏のオリンピックもドーム型が主流になる
実際にスポーツ庁から出されているガイドライン(暑さ指数31以上の運動は原則中止)が順守されることとなれば、夏に行われるほとんどのスポーツに規制が入るということになりますね。
手始めに規制しやすい夏の部活動から規制され、次第に試合や大会などへ波及していくことが予想されます。もちろん、夏の高校野球も中止になるでしょう。
なので、必然的に冷房の効いた屋内競技場を使うという方向になってくると思います。サッカーや野球、テニスなども屋内になるので、膨大な施設費がかかります。果たして公立の中学校や高校で可能なのか?と思いますね。
体育館の冷房を入れる程度ならばなんとかなると思いますが、野球やサッカーができる屋内競技場となると、現実的ではないですね。
実現可能なのかな?と思うのが「共同の屋内練習場を作る」又は「既存の屋内練習場を貸してもらう」ということです。県に2~3個のドームを作り、それを何校かが共同で使う感じです。
これはあまり現実的ではありませんが、気温の低い夕方~夜に大会などが開催されるというのも考えらえるのかなと思います。
当然ですが、大人の大会も中止になる
中止になるのは子供の部活動だけではありません。生命に危険が及ぶということになるので、当然のことながらプロスポーツも規制される方向になると思います。
プロ野球なども気温が高いので全てナイター。又は冷房の効いたドーム内が推奨されることになると思います。
以上、現実的かどうか分かりませんが、事故が増えてくれば必然的に規制されていく方向になると思います。人間の体は暑さに慣れるようになっており、特に身体機能の高い運動選手は熱中症になりにくいといえますが、一方で中学校に上がったばかりの新1年生や体調が悪い時は熱中症になりやすいので、「体が強いから大丈夫」という個人の身体能力に依存するというような管理法は適さないと思います。
運動を指導する者、管理者、運営者は参加するものの安全を守る義務があります。避けられるリスクを避けるべき。なので、暑さ指数31以上は出来る限り運動は避けるようにすべきです。
ところで、暑さ指数31以上ってどんな状態なの?
先ほど記載した通り
- 気温30℃+湿度85%以上
- 気温31℃+湿度80%以上
- 気温32℃+湿度70%以上
- 気温33℃+湿度65%以上
- 気温34℃+湿度60%以上
- 気温35℃+湿度55%以上
- 気温36℃+湿度50%以上
- 気温37℃+湿度45%以上
- 気温38℃+湿度40%以上
- 気温39℃+湿度35%以上
- 気温40℃+湿度30%以上
になると暑さ指数31以上になります。
✅暑さ指数31以上はどんな状態なのか?
- すべての生活活動で熱中症がおこる危険性がある
- 高齢者においては安静状態でも熱中症を発生する危険性が大きい
- WBGT31℃以上では、特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき
- 33以上は昼夜問わずエアコン等を使用する
ちょっとフワフワした指標になりますが、とにかく熱中症が起こる危険性が高いということだと思います。普通の生活でも熱中症が出やすくなり、運動をすると更にその危険性が高まるということだと思います。
確かにこの間、気温34℃、湿度70%という日がありましたが、鬼のように暑く、歩いただけで汗がしたたり落ちていたのを思い出します。あの状況でスポーツをしたら汗だくになり、更に体温が急激に上昇して危険なことになると感じました。
スポーツをしている方は体温をうまく下げることができるといいますが、それでも身体には強弱というのがあるので、弱い方やスポーツに慣れていない新一年生、体の調子が悪い時は熱中症になりやすいといえますので、リスクを避ける意味で指数によって「スポーツに適しているかどうかを分ける」のは大事なことだと思います。
今後、夏場の部活動はどうなっていくべきなのか
今後は若い命を守るため、暑さ指数が31以上になった場合は部活を注意すべきだと思います。オリンピックなどの心身が完成された成人が行うスポーツはまた別に考えるものとして、身体が出来上がっていない中学生、高校生については暑さ指数によって部活をやらないようにするというルール作りが大事になると思います。
大事なのは「子供の命を守ること」です。
今の子供たちは暑さに弱い身体になっています。理由は冷暖房の普及。冷暖房は事故を防ぐ意味でとても大事で重要なものですが、一方で24時間365日使い続けることにより、自分自身で体温を調節するという機能を低下させてしまいます。
このような側面もあることから、暑い時期の部活の在り方については、しっかり考えていかなくてはならないと思います。
以前、昭和の部活動では「水を飲んだらダメ」「休憩をしたらダメ」などの謎ルールがありました。
今から何年後かに、「そういえば令和の時代には真夏に部活をしろって言ってたことがあったよな」という話がされるようになるかもしれませんね。
そもそも部活が無くなるというか指導者が変わっていくという話も
教員の負担が多いことが要因となり、精神疾患などを発症して休職や退職に追い込まれるケースが多いという報道がなされています。それにより、教員の負担を減らすため、部活動を外部に委託するという動きがあるようです。
活発な部活動の顧問になれば、盆と正月以外は休みが取れない、そして、その分の給料の支払いはない…という状況になれば、誰も顧問を受ける気にならないのは言わずもがなです。
こちらの記事をご覧ください↓
合理的!「部活を外部委託」する学校の緻密な手順
すでにスポーツスクールなどを運営する会社と契約を結び、部活動を委託している学校もあるようです。理由は「顧問を受ける先生がいないから」らしいです。
この制度にはメリットがあり、会社を通して派遣してもらうため、パラハラや虐待、行き過ぎた独りよがりな指導などの不適切な指導をすれば、会社側にコーチ交代を要請することができるようになります。
しっかりルールを守る指導者であれば、暑さ指数による部活の制限も守ることが予想されるので、その面からもメリットを得られるのかなと想像します。
子供たちの体力作りは必要だけど
✅部活動(運動部)を行うことによるメリット
- 運動能力が向上する
- 健康で丈夫な身体になる
- メンタルが安定する(心身をリフレッシュさせる)
- 自主性を養うことができる
- 生涯にわたってスポーツを楽しむことができる可能性が高くなる(成人病や孤独の予防)
- 人間関係が良好になる
- 礼儀やルールを学ぶことができる
このようなメリットがあるので中高生の時は部活を行った方がいいといえますが、一方で熱中症を発症するというデメリットもあるので、「自分の体は自分で守る」というのを徹底して、気分が悪くなったらすぐに心身を休ませるようにする必要があります。
指導者や親は常に子供の安全を考えなければならない
運動部の指導者は「勝つこと」だけを考えて練習の強度を上げ続けたり、暑い真夏に無理してやらせたりなどしがちの傾向があります。また、昔から子供たちを鼓舞するために「怒り」を用いて強制的に従わせるという面がある指導者もいます。
どうしてもこのような面が強く出る傾向がありますが、それよりも大事になるのが「安全面」です。事故やケガを予防するために設備面の改善や環境の整備、ルールの策定などを徹底するようにしなければなりません。
特に夏の暑さは命を奪う重要な事項なので、暑さ指数によって部活動や大会を制限していくのは大事なことだと思います。また、熱中症の危険性や対処法を周知させていくことも同時に行わなければなりません。
おわりに
今回は「真夏の体育館でやる中高生の部活ってヤバくない?その危険度と対策法について」というお題になりました。
うちの子供が今年からバレー部に入り、一生懸命練習していて、何度か「めまいがして倒れそうになった」と訴えていたので取り上げさせていただきました。
現在は100年前とくらべて地方で1.3℃程度、都市部で3~4℃も気温が上昇しているといわれています。原因は恐らく「温暖化」。地球全体が温められていること+ヒートアイランド現象などもあると思います。
このように気候が変化しているので、我々の生活も変化させなければなりません。その一つとしてあるのが「真夏の部活や運動」。運動を行うと体温が上昇します。長時間の運動は脱水や体力低下を招くので熱中症への危険度が上昇します。
熱中症は「命を奪う危険な疾患」なので、しっかりと管理していかなくてはなりません。人間には正常性バイアスというものがあり、「今まで大丈夫だったから」「自分は大丈夫なのだから皆も大丈夫だろう」と安易に考えてしまいます。また、危険だと分かっていても、例えば監督が大丈夫といえば改善されないということもあります。
なので、スポーツ庁などが「暑さ指数31以上の中で部活はするのは認めない」ように決めるなど、「規定」を作ることが必要だと感じます。
最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログには他にもいろいろな記事がございますのでぜひゆっくりしていってください。
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