経営者や接客業なら読むべき本「あなたの中のヒトラーが会社を滅ぼす」
お客をもっと増やしたい。
社員のやる気をもっと上げたい。
会社を大きくして成功したい。
会社経営者及び接客業の方々が日々悩んでいることとしてある願望だと思います。
社員のモチベーションを上げてもっと売り上げを伸ばしたい
お客さんの数をもっともっと増やしたい
とにかく利益を増やしたい
その為に安売りをする、経費を削減する、ネット販売を行う、笑顔を増やすなど様々な苦労をされていると思います。
もちろん、それら努力は必要で有益だと思います。しかし、会社経営や接客の根本にあるもの、これが揺らいでいると全てが不安定になってしまいます。その根底にあるものが何だか分かりますか?
恐らくほとんどの方が気づいていることだと思いますが、それに対して揺るがない熱意をもって取り組んでいるという方は少ないのではないか?と想像します。
今回のこの記事は、その根幹にあるものを力強く語ってくれている「あなたの中のヒトラーが会社を滅ぼす」という書籍のレビューを書いていこうと思います。
この記事でわかることについてご説明します
- あなたの中のヒトラーが会社を滅ぼすという本の感想を知ることができる
- 会社経営や接客業の基本を知ることができる
- 脳の仕組みについて知ることができる
- 生き方のヒントを知ることができる
「あなたの中のヒトラーが会社を滅ぼす」の率直なレビュー
この本を読むことで間違いなく会社経営、接客業を生業をする私としては「ためになった」と感じました。知ることができて本当によかったというのが素直な感想です。
なぜそう思ったかというと、会社経営の本質を知ることができたこと、そして何となくこれって業績アップにつながるよね?と思っていたことが、正しいこだったということが知れたことです。
会社の経営方針って大企業ならば帝王学みたいな感じでちゃんと教育されると思うのですが、私のような個人店や中小企業の方などは知らないと思います。
なので、その根幹を教えてくれているこの本はとても有意義だと思います。
よく、経費節減のテクニックや従業員の心のケア、ライティングテクニック、マーケティングノウハウ、流通システム、グッズや広告・アプリ販売での儲け方などのノウハウ本はみますが、経営者の根幹をビシッと教えてくれているのはこの本だけです。
そういう意味では、経営者はもちろん、接客業を営んでいる方、その他サービス業に就いている方には1度読んでいただきたいなと思います。そうすることで必ずビジネス面はもちろん、家庭などのソフト面でもプラスに働くと思います。
とはいえ、根幹部分及び軽く運営方法に触れているものの、全てを網羅しているという本ではないので、その他細かいテクニックに関しては他の本などで勉強する必要があります。
筆者が最も訴えたかったこと(ネタバレ注意)
この本の筆者が最も訴えたかったのは「消費者及び従業員に対し、正義や愛、真心をもってプラスになることを提供してください」ということだと思います。
「悪が栄えた試しなし」という言葉がありますが、例え悪ではなくでも計算高く儲けのことばかりを考えたり、自分勝手な偏った思考によって間違った方針を打ち出したり、世の中への奉仕や感謝の気持ちが全く感じられないような経営や接客はしてはならないと教えてくれています。
つまり、成功するには正攻法以外は考えるなということだと思います。
お客様や世間が何を求めているか、それに対して真摯に愛と感謝の気持ち及び多方面から考えて歪みのない思考で接していくことが商売の根幹にあらねばならないということです。
もちろん、儲けは必要なのでそれなりのやり方は必要になるでしょうが、どちらかというと、客様や世間のために仕事することにより、報酬は後からついてくるものという考え方をしなさいと説いています。
本書によく出てくる「右脳と左脳」の解釈
本書では右脳の左脳についての記述が幾度となく出てきます。
まず、一般的によく言われている右脳と左脳の役割についてご説明します。
✅右脳の役割
- 感情表現が豊か(愛や慈悲など)
- 人の気持ちがわかる
- 空間認知能力に長けている
- 暗記が得意
- 総合判断力が高い
- 楽天家でマイペース
- 視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感に関係
- 感情をコントロール
- 潜在化を認知
✅左脳の役割
- 言語や計算力、論理的思考を司る
- 客観的な分析を行う
- 几帳面
- 計算が得意
- 記憶容量が少ない
- 左脳は、理解と言語を中心につかさどる意識的な理屈の脳
- 紙に書いて筆算する場合には、理論を司る左脳が担当するが、ソロバンを頭に浮かべ暗算で計算する人は、右脳を使いイメージでソロバンの玉を動かしている
- 顕在化を認知
本書では左脳ではなく右脳をビジネスに活用するように示されています。なぜか?それは左脳は今ある顕在化されていること(例えば計算や会話、書く、キーボードを打つなど)を処理するのに対し、右脳は潜在化されているもの(記憶や情緒、空間認知能力、総合判断力など)を司るので、ビジネスはもちろん、日々の生活においても非常に大事になる(右脳と左脳の能力差は7万5千倍ある)からです。
要するに、相手に何かを訴えかける場合、顕在化されている部分だけを司り、能力の低い(7万5千倍の違いがある)左脳に訴えかけるのではなく、影響力が大きく更に記憶にも残り続ける右脳に訴えたほうがいいということです。
そして、右脳に訴えかけるにはこちらも右脳を最大限に使わなければならないことを指南しています。なぜ右脳を使わなければならないのかというと、右脳は情緒や直感、愛情などを感じ取る場所なので、その感情を動かすにはこちらも上辺だけの計算ではなく、感情でぶつかる必要があるからです。そしてその感情は付け焼刃ではダメで、普段より感情や考え方を偏りのない良心に基づいた愛や慈悲を意識して生活し、自分のモノにしておかなくてはなりません。自分自身の内面から出たものによって人は動かされます。
相手の右脳に訴えかけるためには自らも右脳を意識する必要があり(人間は同調しやすい)、そのためには日ごろから内面を磨く必要があるということです。内面を磨くには日常生活にも気を使う必要があり、普段より愛情や慈悲の心を意識しつつ、どうやったら相手の感情が「喜び」に変わるのか考え実行することを考えるようにします。
実際の脳領域での右脳左脳
「右脳派」「左脳派」は都市伝説だった!人 に“利き脳”はない:研究結果
※リンク:クリックすると専門ページにジャンプします
誤解があったらいけないので付け加えます。上記のリンク記事にあるように、実際の脳領域では右脳、左脳による機能や役割は解明されているものの、左脳又は右脳ばかりが使われているというようなことはなく、脳幹を通じたそのやり取りなどによってどちらに思考が偏るかが決まっているという考え方もあるようです。
即ち、脳は場所によって司る領域が異なるのは間違いのないことですが、その場所の機能が使われていないのではなく、ネットワーク(他の場所とのやり取り)に何らかのくせが加わり影響を与えているということです。
実際にどんな行動や考え方を心がけた方がいいのか
愛や慈悲?右脳を意識する?
何となく分かる気がしますが、具体的にどんな行動を取ればいいのかピンとこないという方もいると思います。私も本を読みながらそう感じていました。
答えはいたって簡単です。
✅実際に心がけるべきこと
- 安売りなど小手先のことは考えずに相手が何を望んでいるか、相手の満足度を高めるには何をしたらいいのか、社会の役に立つにはどうすればいいかを考えて実践する(恐怖心や煩悩などを煽るような商売はしない)
- 能力や外見、損得、自分の都合で考えない。全て歪みのない自己の良心に従った愛で相手及び社会都合で考える(そのためには常に自分の考えをリセット又は修練して正しい思考を持ち続ける必要がある)
- 愛情や笑顔をもって考える、接するようにする
- 相手のことを好きになる(本心から)
- 以上を実践し続けて相手や社会の自社・自分の良いイメージを潜在意識に植え付ける
- 潜在イメージの強固及び忘れられないために、コンセプトやキーワード、キャッチコピーをなど、イメージとなるものを作り、そのイメージにあった宣伝やDM、SNSなどを定期的に発信していく
このように実践は文章にするとこうなります。なんとなく簡単そうですが、その人が持っている人格や考え方の癖というものがあるので、それを変えるのは容易ではありません。
自分がいいと思っていても、相手にとってもはよくないと思われてしまうことがあります。
例えば、相手のためにと思ってお茶を入れたとします。しかし、相手はお茶をもらうよりも早く接客してもらって早く帰りたい、だから迷惑だ…と思っていたとします。
この場合の行動は悪くありません。その人の正義としてお茶を入れたのはいいことです。逆にサービスを人によって違うものにするのは客商売ではありえないことです。なのでお茶を入れるのは間違いではなく、むしろして差し上げるべきことです。
その上で、急いでいると感じ取った段階で「急いでいるところ申し訳ございません」と謝り、急いで接客を行うというのが正しいやり方です。
値引きに関してですが、値引きはお客にとっては嬉しいことです。なので値引きして販売して売り上げを伸ばそうと考えているとします。値引きは素晴らしいことですが、実際には販売時のサービス及び説明、その商品の質、そして商品が本当にそのお客や社会に役立っているか、共感してくれているかの方が大事になります。
値引き自体は間違いではありませんが、それがメインとなり他が疎かになっていては本末転倒です。
これら間違いや勘違いがないかどうか確認しながら考え行動していくことが求められます。
その他、この本が訴えていること
この本には勉強しろ!ということは一言も書かれていません。が、暗に言っていると捉えることができます。
何故かというと、勉強して知識を付けることは、結果、お客様のためになるからです。
勉強の内容は個々違います。社長であればマーケティングや経営学、心理学、健康面の勉強など、様々な勉強をしなければなりません。美容師さんであれば、最先端の髪型やハサミの使い方、しゃべりの勉強、個々、お客さんに合わせたカットやセットの方法などを学ばないといけません。
このように、日々、その職種にあった勉強をすることがサービスの向上につながるので「絶対に行わなければならないこと」です。
よく、「知ってる内容だし、いつもありきたりな勉強なので必要ないと思ってる」という言葉を聞きますが、それはセミナーの選び方を誤っている可能性があるので、その時の自分にあったものを選ぶようにしましょう。
また、一番大事かもと思ったのが、日常生活においても愛と慈悲の利他精神と歪みのない正義を意識して生活することの大切さです。これを意識することにより、上辺だけの利他精神ではない、ということがお客及び社会に伝わり、結果、信用を得ることに繋がると共に、家族や友人との関係性も良好になります。そして自分自身には感謝が希望の念が増えていくので精神が健全になっていきます。
そして、健全な精神を維持するためには普段の生活も健康的でなければならない、ということに気が付くので、体も健康的な状態が維持されるようにします。
このように、自分以外の人のために行っていることが、実は自分自身に健康的な心身として返ってきます。そして、心身の元気さ、健全さが相手に伝わり、更に求心力、信頼性を高めることに繋がっていきます。
多方面から考えてマイナスとなるものは何もなく、プラスしか残らないという素晴らしい教えだと思います。
経営者や接客業なら読むべき本「あなたの中のヒトラーが会社を滅ぼす」まとめ
経営や接客業をやっている方で、何か一つでもいいからためになる情報を得たい、と思っているのならばこの本を読むことをおすすめします。何故かというと、絶対にプラスになることが書かれているからです。
この本の筆者が最も訴えたかったのは「消費者及び従業員に対し、正義や愛、真心をもってプラスになることを提供してください」ということです。
成功するには小手先の技術を磨く、用いるのではなく、王道を知りそれを極めることが大事ということです。
例えばテニスを上達するのに、球に回転をかけたり、相手の心理を読むことなどをする前に、基礎的な体力や腕力、球を正確に打ち返すフォームなどを徹底的に覚える方が大事というのに似ています。
王道はあくまでも相手(お客)であり、そのお客が心から満足できるサービス、品物を与えることを考えるようにしなければなりません。
そのためにはその場だけ取り繕うのではなく、普段の生活態度、生活習慣、考え方から直していかなくてはなりません。メッキはすぐに剥がれます。なのでメッキではなく自分自身を中身から歪みのない利他の精神で作り上げるようにしなけばなりません。
右脳、左脳にはそれぞれ役割があります。左脳は今やっていること(顕在化)を処理するのが得意です。なので容量としては小さいです。比べ右脳は過去の記憶や想像力といった潜在化の部分を処理するので容量がとても大きいです(容量は左脳の7万5千倍)。
人や社会と接する時には右脳にアプローチするようにしなければなりません。記憶に残るような役割を果たすようにします。その為には相手の感情が深く揺さぶられるような満足できるサービスをしなければなりません。
感情を揺さぶるには大きな満足度を得られるようにします。大きな満足度は嘘偽りのない愛のこもった品質やサービス、社会貢献が必要になります。
これを作り上げるためには、先ほど申し上げた通り、普段からの生活、ものの考え方などから作り上げていく必要があります。
意見が違った時、あなたはどうしていますか?
相手を言い負かすまで気が済まない、なので絶対に譲らないという人は考え直した方がいいでしょう。その人に大きな損害が発生するという場合は別として(その場合も一旦相手の意見を受け入れ、その上で諭すようにする)、どうでもいい場合には全て相手に勝たせてあげましょう。そういう癖をつけることによって、関係性を良好にすることができます。
お客の満足度を高めるためには、このような接客のテクニックも必要になります。
このようなテクニックも含めて、日々、お客や社会に役立つための勉強も行わなくてはなりません。セミナーや読書、ネットなどで勉強することができます。また日々の仕事でも反省、勉強、納得を得ることができますので意識するようにしましょう。
以上、簡単ですがとても奥が深い内容となっています。何度も咀嚼して自分のものとしてくださいませ。皆様のご健闘をお祈りしております。
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