【アクアリウム】果たして水槽の水質管理にソイルは役に立つのか?
こんにちは。皆さんアクアリウム生活はいかがですか?コロナ禍の今、家にいることが多いのでアクアリウム愛が強まっている方が多いのではないでしょうか。
私の場合はなぜか冬になるとアクアリウムへの関心が異常なほど高くなり、逆に夏になるとどうでもよくなって放置気味になってしまいます。
そんな私ですが窮地に陥っています。それは夏に放置していたツケが…。アオミドロ大パニックに襲われています。夏に水質管理を怠り、それによってディスカスに寄生虫を思われる症状が…。その改善にフラジールを使ったのですが、それでディスカスは復活。ですが、水槽がえらいことに…。なんとアオミドロ大パニックに。
その写真がこちらです↓
これは単なる私の想像ですが、フラージールは抗菌剤なのでバクテリア(真正細菌)を殺してしまい、結果、水槽内の生物ろ過が崩壊してしまった結果、水質がめちゃくちゃ悪化してしまったのではないかと思っています。
今はそのアオミドロ対策に必死になっています。その過程で「そういえばソイルって水質管理に有効なのかな?」と思ったので、今回、いろいろと調べてみました。その結果を記していこうと思います。
この記事でわかること
- ソイルの役割を知ることができる
- ソイルの効果を最大限に得る方法を知ることができる
- ソイルを敷いているのに水が汚れてしまう原因がわかる
- 水質管理のコツを知ることができる
- アクアリウムの管理方法が楽になる
結論、テクニックがないとリスクの方が大きくなる
あくまでも話題が導き出した結論なので、100%この通りではありません。予めご了承くださいませ。
ソイルの最大のメリットといえば「水質を弱酸性に保つ」ことです。アクアリウムに必須の熱帯魚、エビ、水草の多くが弱酸性を好むという習性があるので、水を弱酸性に保ってくれるソイルは素晴らしいアイテムといえます。
また、ソイルには(種類によりますが)アンモニアなどの毒となる物質を吸着し、代わりに熱帯魚や水草、バクテリアの生育に役立つミネラルを放出するという役割をもちます。
更に、底面ろ過をプラスさせれば、バクテリアが大量に住み着く住処となるので、物理ろ過、生物ろ過の両方の効果を得ることができます。敷く厚さによりますが、厚く引くことで外部フィルターが遠く及ばないほどのろ過能力を発揮してくれます。
このようなソイルの素晴らしい効果を得るためには「テクニック」が必要不可欠となります。これをやらずしてメリットだけを享受することはできません。
以下、順番にそのテクニックについてご紹介していきます。
魚を大量に入れる場合には有茎草がないとつらい
まず、魚を大量に飼育している場合には、有茎草がないと水質管理がつらくなります。
理由はフンや尿などから発生するアンモニアや亜硝酸が分解されずに堆積してしまい、水が汚れた状態が続いてしまうからです。
水が汚れてしまうと、生体が病気になる確率が増大し、更に水草なども元気をなくしてしまいます。
魚を沢山飼育していると、いくらバクテリアがたくさん住み着いているソイルを使っていても、分解が追い付かずに水質が常に悪い状態になってしまいます。
それを改善してくれるのが「有茎草」です。読んで字のごとく茎がある水草です。増殖が早く、多くは二酸化炭素とそれなりの光量を必要とします。
有茎草は伸びるのがとても早いので、その分、肥料をたくさん必要とします。水草は先ほど水を汚す原因としてあげたアンモニアや亜硝酸が分解された際に生じる硝酸塩やリン酸を肥料として成長しますので、結果、魚をたくさん飼育していたとしても水質が悪化されずに維持されやすくなります。
ポイント
魚がたくさん入っていて、水を汚す原因が大きい場合には、伸びるのが早い「有茎草」を植えることが解決法の一つ。有茎草は苔を増やす原因となる硝酸塩やリン酸を吸収するという役目があります。
有茎草の中で割と楽で人気が高いのがロタラです。
有茎草の成長にはソイルの栄養素だけでは足りない
魚を大量に飼育する場合は有茎草を植えるのが有効という説明をしましたが、有茎草が力強く育つにはソイルに含まれている栄養素だけでは足りません。
厳密にいうと、最初は大丈夫ですが、そのうち足りなくなり元気がなくなってきます。なので、肥料の添加は必須と考えてください。
しかし、肥料をあげすぎると水が汚れて苔の大発生を招いてしまうので注意が必要です。必ず少しずつ入れて様子を見ながら増やしていくようにしましょう。
ここまで自分で書いていて「本当に難しいな」と思います。水の管理には水草が必要ですが、その水草は肥料を与えないと育たない、でも肥料をあげすぎてしまうと水が汚れる…いったいどうすれば…と悩みますよね。
ここがテクニックの見せ所です。一般的にはイニシャルスティックなどの固形肥料を少なめに入れて様子を見る感じがいいのかなと思います(水槽リセット時はソイルに必ず混ぜる)。水を張ったまま手軽に添加したいという場合は炭酸カリウム50gを500mlの水に溶かしたものを(1日1~2ml:60㎝水槽)滴下する感じですかね。赤系の水草を使っている場合はメネデールを水替え時に5~10mlくらい(60㎝水槽)滴下。
ポイント
有茎草の水草を育てるにはソイルに含まれている肥料だけでは足りません。適宜、その時の水草の量に見合った量の肥料を添加するようにします。あげすぎると逆に水質を悪化させてしまうので、必ず少なめにするようにしましょう。
肥料といえばイニシャルスティックです。
立ち上げ初期は水替えを頻繁に行う必要がある
種類にもよりますが、ソイルには有機物やミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。立ち上げ当初はこのソイルに含まれている栄養素が水中に多く流出してしまうので、水質の悪化や苔の発生を早めてしまいます。
この状況にプラスして、立ち上げ初期は水質の安定に必須なバクテリアの量が少ないです。なので、水質がなかなか安定してくれません。
以上のような理由により、水質が非常に不安定となり、生体の調子の悪化や苔の発生などが起こりやすくなるので、それを予防するために頻繁な水替えが必要になります。
飼育している生体の数によりますが、週に2~3回、1回に2分の1~3分の1程度の水替えを行うようにするといいでしょう。
一つテクニックとして立ち上げ時に「バクテリア」を入れてあげるという方法があります。ADAのバクター10をソイルに混ぜたり、以前こちらでご紹介したバクターDDなどを添加するという方法です。非常に有効なのでぜひご活用を。
ポイント
ソイルにはミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているので、水を汚して苔の発生を早めてしまう原因になることがあります。特に立ち上げ初期はその悪影響が出やすいので、水替えを頻繁に行うようにしましょう。
↓↓立ち上げ時にソイルに混ぜるとバクテリアがいい感じに増えてくれます
ソイルには寿命があることを理解する
ソイルにも寿命というものがあります。
理由の一つ目は「栄養が抜けきってしまうこと」。栄養素が抜けきってしまうと水質を弱酸性に保つということができにくくなってしまいます。また、水草を育てている場合、水草が得られる栄養素が少なくなるというデメリットが考えられます。
2つ目の理由はヘドロの体積による目詰まりです。食べかすやフン、水草の枯れたものなどが堆積していくのでソイルが目詰まりを起こして有用なバクテリアが住めない環境になります。また、底面ろ過を行っている場合には、水流が悪くなるのでろ過率が著しく低下してしまいます。ソイルはプロホースが使えないので掃除することができません。ほぼバクテリアに依存しているといっていいでしょう。バクテリアの分解能力には限度があります。
3つ目は2つ目と同じような理由ですが、ソイルのつぶれです。ソイルが劣化してつぶれてしまうと、水が行き届かなくなってしまうので、水草やバクテリアが栄養を吸収することができなくなり、水草が育たない、ろ過バクテリアが減少するなどのデメリットが生じます。結果、水質も悪化しやすくなるので水質管理が難しくなります。
以上のような理由があるので、飼育環境にもよりますが、多くの場合は1年~3年くらいで交換するようになります。交換リセットとなると、バクテリアが急激に減少していしまうので、また一からバクテリア育成が必要になります。スムーズに増やすには先ほどもご紹介した、ADAのバクター10をソイルに混ぜたり、以前こちらでご紹介したバクターDDなどを添加するという方法が有効です。
ポイント
ソイルには寿命があります。主に①栄養が抜けきってしまうこと、②ヘドロの体積による目詰まり、③ソイルがつぶれてしまうことによる目詰まりが原因です。こうなってしまうと、水質を管理することが難しくなるのでソイルを交換しなければなりません。
ソイルの交換はイコール「リセット」を意味している
先ほどソイルには寿命があるので数年おきに入れ替えなければならないというお話をさせていただきました。
そうなると、ソイルの交換って簡単にできるの?と考えてしまいます。まず答えから申し上げますと、ソイル交換は、イコールリセットです。そうです。生体や水草をぜーーんぶ水槽から出して、ソイルを出して、水槽をなーんにもない状態にしなければなりません。
ハッキリ言ってめっちゃ大変です。なので、これが面倒…という方はソイルは向いてないと思います。というか、アクアリウムを趣味にすること自体が向いていないのかもしれません。
このリセット時に、「今度はどんなレイアウトにしようかな」「新しい流木でも入れてみようかな」などと、逆に胸をワクワクさせ、リセットが楽しくてしょうがない!となるのが真のアクアリウマーです。私は掃除は面倒だな…と思う時がありますが、水槽リセットは楽しくてしょうがありません(笑)。
ソイルを敷く!という場合には、数年以内にリセットしなければならない!ということを頭に入れておく必要があります。
ポイント
ソイルには寿命があります。多くの場合1年~3年くらいで交換しなければなりません。その交換は、イコール水槽のリセットを意味します。ソイルを敷くということは、数年に1度、水槽をリセットしなければならない、ということを意味しています。
自分の目的に合ったソイルを選ぶようにしよう
ソイルにはいろいろな種類があります。自分の目的に合ったソイルを利用するようにしましょう。
ソイルには酸性タイプとアルカリ性タイプがある
まず初めにソイルには水質を弱アルカリ性にするものと、弱酸性にするものとがあるということを理解しましょう。弱アルカリ性のものはしんシンクリッド系や海水を用いたアクアリウムに適しています。一方、弱酸性は水草水槽、エビ類、ディスカス、その他、淡水系の熱帯魚に向いています。まず、飼育する生体や水草に合ったペーハーにしてくれるソイルを選ぶようにしましょう。
次にソイルの種類です。大きく分けて3種類のソイルがあります
①吸着系ソイル
吸着系のソイルには水中に漂うアンモニアや亜硝酸などを吸着するという役割があります。このような役割があるので、立ち上げ初期でも「水質が安定しやすい」という特徴があります。水にうるさいエビなどの生育に向いています。水草の育成に必要な有機物やミネラルなどはあまり入っていませんが、初期であれば追肥しなくても育てることができます。
②栄養系ソイル
水草やバクテリアの生成に必要な有機物やミネラルを豊富に含むという特徴を持つソイルです。有茎水草などを植える場合にはこのソイルが適していますが、立ち上げ初期では富栄養状態となることがあるので苔の大増殖に注意しなければなりません。
③どちらでもないセラミックタイプ
吸着系でもない、栄養系でもない、セラミックタイプというソイルがあります。セラミックタイプは壊れにくい「鉱物」を突き固めたソイルなので、とても長持ちするという特徴があります。乱暴に扱わなければ5年以上もつのではないでしょうか。その代わり、栄養をほぼ含んでいないので水草の飼育をする場合には肥料を別途与えなければなりません。毒性物質の吸着も吸着系ソイルに比べると劣ります。
最後に、ソイルには粒の大きさがある
①ノーマルタイプ
普通の3~4㎜の大きさのソイルです。粒が大きめなので通水性能が高いので底面ろ過との相性がいいです。粒が大きいので崩れにくく長持ちするという特徴もあります。また、価格も一番安いです。特にこだわりがない場合にはノーマルタイプのソイルでいいと思います。
②パウダータイプ
粒の大きさが1~2㎜と細かいのが特徴です。30㎝以下の小さな水槽や、前景草に使うような小さな根の水草を植える際に使います。ノーマルタイプに比べて価格が高くなります。全てこのパウダータイプを使うのですはなく、ノーマルタイプを使った上に2~3㎝程度使うようにすると◎
③スノーパウダータイプ
粒径が0.6mm〜1.6mmと非常に細かいパウダー状のソイルです。使うシーンが非常に限られます。目詰まりの原因になるので注意するようにしましょう。
水草やエビ飼育をしないのならばベアタンク又は砂利敷きの方が楽
有茎草やエビは飼育していない、そして水を汚す熱帯魚を飼育している、この環境でなるべくリセットせずに水質管理を楽にしたいという場合には、ソイルではなく砂利や何もしかないベアタンクで飼育した方がいいと思います。
特にディスカスやエンゼルフィッシュといった大きめの熱帯魚を飼育敷いてる場合には、フンや食べ残しなどで水が汚れやすいので、その都度、水底に溜まったフンやカスを取り除くことができるベアタンクの方がいいといえます。
ソイルを使用する場合には、冒頭にあげた、フンや食べかすによって発生する硝酸塩やリン酸を消費してくれる有茎草をたっぷり植えるか、もしくは2日に1回程度の水替えを行うというタフな管理方法が求められます。
↓↓更に苔対策としてミジンコを飼うという方法もおすすめです。
ベアタンクや砂利の場合は週に1度の掃除の時に、たまったフンや食べかすを根こそぎ掃除することができるので、ソイルのように汚れが蓄積されていくということがなくなります。なので、常に水槽内をフレッシュな状態に維持することができます。
微妙なのは流木&陰性水草レイアウトの場合ですね。この場合で多いのがマットは砂利、そこに石&流木を置いて隙間に陰性水草を茂らせる、肥料は液肥を毎日添加するという方法です。ソイルを敷いて水槽内を弱酸性に保ち、更に有機物やミネラルも放出し、毒性物質を吸着するという目的で用いてもいいですが、なくても陰性であれば十分育ちますし、水質もソイル内の汚れの蓄積を考えると行って来いだと思います。結論は「どちらでもいい」「レイアウトによって決めればいい」という感じでしょうか。
注意点は石メインにすると水がアルカリに傾きますので、弱酸性を好む生体や水草は調子を崩すことがあるという点です。生体を入れること、流木を多く入れること、co2添加などによってペーハーを弱酸性に傾けることができます。
まとめ
✅ソイルを利用するメリット
- 水の中の汚れを吸着してくれる
- 水を弱酸性に保ってくれる
- 水草の育成に有効な有機酸やミネラルなどの栄養素を含んでいる
- バクテリアの住処となるので水質が安定しやすくなる
✅ソイルを利用する上での注意点、ソイルの弱点
- 食べかすやフンなどの汚れが蓄積しやすい(有茎草を植えることでデメリットの改善が見込まれる。逆にいうと有茎草がない場合には管理が難しくなる)
- 栄養を豊富に含んでいるので、初期は栄養が大量に溶け出すので水質が悪化しやすい
- 汚れが蓄積して目詰まりする、壊れて目詰まりするなどして交換が必要になる
- 大食漢な生体を飼育している場合には向かない(食べカスやフンが蓄積されてしまう)
このように少し技術が必要ということになりそうです。例えば、60㎝水槽にエビとテトラ数匹といった場合には、水をあまり汚さないのでどんな環境でも水質は安定しますが、ディスカス数匹を飼育するといった場合には、生物ろ過に頼るソイル方式よりも、物理的に底にたまったフンや食べかすを取り除けるベアタンクの方が管理しやすいといえます。
しかし、有茎草をたくさん植えて、より水質ろ過能力を高めるなどした場合には、高カロリーな生体飼育でも問題なく水質管理することができます。
いずれにしても、水槽を綺麗に保つには常にメンテナンスしていかなければならないので、どんな飼育方法でも手間暇かけなければならないということになります。常に観察してその時々にあった改善法を模索していくということが望まれます。
そうしているうちに、自分にはどのような飼育方法が合っているのか、ということが見えてくると思います。
私の場合はディスカスを飼育しているのですが、最初はベアタンク→次にソイル&流木&石&陰性植物(二酸化炭素添加はなし)→今は二酸化炭素添加して有茎草の飼育となり、水質が徐々に安定してきています(アオミドロ騒動がありましたが…)。やはりソイルの場合には有茎草を植えた方が水質は安定します。植えない場合には浮草などで対処することもできます。
それでは、皆さんのアクアリウム生活が充実することを祈り、ブログを締めたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。引き続き「まめもも先生の生活応援サイト」をよろしくお願いします。
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