ロバート・B・チャルディーニ著「影響力の武器」を読んだ感想&まとめ
最近読んだ本が激ヤバだったんだよね
読書は知識を得るのにいいよね
そうなんだよ。めっちゃいい知識が得られたので紹介するね
それは楽しみだワン
今回は書籍の紹介です。結構話題になった書籍なのでみなさんご存じかな?と思いますが、知らない人もいらっしゃると思います。
その書籍はタイトルにありますが、ロバート・B・チャルディーニ著の「影響力の武器」になります。
こちらは完全なビジネス書ですが、心理学的な側面の本なので皆さん参考になると思います。
「あ~そういうことだったのか」と納得することがたくさん。なぜあなたがものを買ってしまうのか、その理由がわかります。
理由がわかることで、無駄な購入が減ると共に、心理を利用してものを販売することもできます。
ということで、読んで損はないと思いますので、ぜひ最後までお読みになってみてください。
今回のブログでわかること
- ロバート・B・チャルディーニ著の「影響力の武器」について知ることができる
- 人はなぜモノを買ってしまうのか、について知ることができる
- 巷にあふれたセールステクニックを知ることができる
- セールステクニックに騙されない方法を知ることができる
- 人の心理を勉強することができる
「影響力の武器」とはどのような本なのか?
まずは簡単に影響力の武器という本がどのような本なのかご説明しますね。
一言で申し上げますと「人の購買意欲や行動に対しての心理的テクニックとその説明」になります。
では、その詳細について説明しますね。
✅影響力の武器とはどのような内容なのか
- 人はなぜ商品を購入してしまうのか
- 人の本能を利用した販売法
- 脳の仕組みを理解して有利に話をすすめる
- 人はどんな人に弱いのか
- 人間の弱さを知ることができる
ざっと要点をあげると上のような感じになります。要するに人間の脳の癖を巧みに利用して商品を販売したり、行動を起こさせるテクニックが書かれた本ということになります。
単純に「こうすればいいよ」ということだけではなく、実際の事例を挙げつつ、こころを動かされる理由と対処法について丁寧に説明されています。
なので、作り話ではないのはもちろん、リアリティーがありしっかり納得させられます。自分がその方法を使う側になれることはもちろんのこと、使われる側にたち対処する方法も知ることができます。
事例は全て欧米での例となるので、日本人だったらどうなの?と少し疑問に思ったところもありますが、人間の根幹にあるものはさほど変わらないと思うので、日本においても十分に適応になると思いました。
人間の心理についても、このような言い方をすれば自動でこうなる的な大雑把な説明ではなく、なぜ人の心が動くのか、脳の仕組み、気持ちの推移など、細部まで納得できるような説明がなされています。
作者「ロバート・B・チャルディーニ」とはどのような人物なのか?
生年月日 | 1945年4月27日 |
年齢 | 77歳(2022年6月現在) |
人物 | アメリカを代表する心理学者の一人 数多くの業績で学会をリード |
職業 | 心理学者・著者・スピーカー・教授(アリゾナ州立大学の リージェントの 心理学およびマーケティング 名誉教授・スタンフォード大学およびカリフォルニア大学サンタクルス校のマーケティング、ビジネス、心理学の客員教授) |
学歴 | ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で理学士号を取得・ノースカロライナ大学で社会心理学の大学院に進み、博士号を取得・コロンビア大学で社会心理学の大学院教育を受講 |
選出 | 2018年にアメリカ芸術科学アカデミーに、2019年に全米科学アカデミーに選出 |
チャルディーニの法則 | 1. 返報性 2. 一貫性 3. 社会的証明 4. 好意 5. 権威 6. 希少性 |
著書 | 影響力の武器 影響力の正体 影響力の武器 実践編 影響力の武器 戦略編 影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく |
生まれ | ミルウォーキーに生まれ、さらにイタリア系一家の子どもとして育った |
職業の欄で分かると思いますが、バリッバリの心理学者が著者の正体です。心理学を学ぶと共に、中古車販売店、資金調達組織、テレマーケティング会社に実際に入社して覆面捜査を行うなど、心理学の裏付けとなる体験も行うなどしています。
要するに机上の空論ではなく、実際にその効果を目の当たりにし、自分でも実感しているということです。なので、説得力があり、書籍がベストセラーになっているのだと思います。
影響力の武器という書籍は累計発行部数「全世界で200万部超え」の世界的ベストセラー本となっています。
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本の概要
ページ数 | 492ページ |
言語 | 日本語 |
出版社 | 誠信書房 |
発売日 | 2014/7/10 |
本のサイズ | 幅13.6 cmx厚さ3.2cm x高さ19.8 cm |
書籍の価格 | 紙版:2,970円 電子書籍:2,673円 |
目次 | 第1章 影響力の武器 第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが 第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼 第4章 社会的証明―真実は私たちに 第5章 好 意―優しそうな顔をした泥棒 第6章 権 威―導かれる服従 第7章 希少性―わずかなものについての法則 第8章 手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾 |
Amazonでの評価
★カスタマーレビュー 星5つ中の4.4 1,403 件のグローバル評価
- 星5つ:62%
- 星4つ:20%
- 星3つ:13%
- 星2つ:3%
- 星1つ:2%
★役に立ったと評価している人が多いレビューの抜粋
- 早く読めばよかった
- 内容が深い
- これでだまされなくて済む
- この本を読むべき
- 内容が濃い
- 日常にて影響を受けていることが書かれている
- 自分が失敗した理由がわかった
- 人間の癖がわかる
- 対処法が書かれているのがいい
★Amazon 売れ筋ランキング
- マーケティング・セールス (本):25位
- 心理学入門:69位
- 心理学の読みもの:76位
書籍「影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか」の詳細な内容
あまり書くとネタバレになってしまい著者から訴えられてしまうと困るので、肝腎な部分だけ抜粋して私なりの言葉でご紹介していきますね。
第1章 影響力の武器
こちらは動物である私たちの脳というのは、自動的に動てしまうことがある、ということを説明しています。
例えば七面鳥の母親鳥は、守るべき対象を「ピーピー鳴く」ことだけでより分けており、鳴けば他の生き物でも守り抜き、鳴かなければ育児放棄してしまうといいます。人間にもこのような「行動→行動」という習性があり、ビジネスではその習性が利用されています。
✅習性の例
- 何かを頼む時は「ので」をつけるとうまく行きやすい(例:迎えに行かなければならないので早めに帰らせてください)
- 安いものより高価なものほど高品質なものと勘違いして売り上げが伸びる
- 「専門家=正しい」と勝手に判断してしまうため、専門家の言うことは信じてしまう
- 高いものと安いものがある場合には高い方を先にすすめる(安い方を先に勧めてしまうと高いものがより高く感じる)
- 先に高いものを買わせた後に安いものも勧めると、より安い!と感じて購入しやすくなる
- 車を販売する際は、先に購入を決めさせ、後からオプションを勧める→オプションを安いと感じて購入しやすくなる
- 住宅を購入させたい時は、先に魅力のない住宅に案内し、次に魅力ある住宅に案内する→後に見せた住宅をより素晴らしい住宅と思い購入しやすくなる
第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが
返報性のルールとは言葉のまま「他人が自分にしてくれた行いに報いること」という人間が持っている仕組みのことをいいます。誰かに何かをしてもらう、いただくと自分も何かしてあげなければという気になりますよね。
この人間の持つ返報性のルールを応用したマーケティングが現代にははびこっています。
✅返報性のルールを使ったマーケティング例
- エチオピアは経済破綻をしていた時にメキシコから資金援助を受けた→半世紀後、今度はメキシコが地震でたくさんの犠牲者が→エチオピアが資金援助を
- イベント参加者に予めジュースを差し上げる→個人的な悩みを聞いてもらえるようになる。ジュースをあげない→悩みを聞いてもらえな(その人を好きか嫌いかは関係ない)
- 花や聖書などを先にプレゼントした後に募金を募ると成功しやすい
- スーパーなどで行われている試食や試供品(アムウェイの試供品バッグは有名)なども返報性のルールを利用している
- 普通のハガキで寄付をお願いする場合と、ちょっとしたグッズをを同封してお願いした場合では2倍の差が生じる(もちろんグッズ付きの方が寄付率が高い)
- 人からあることを要求され、それを拒否すると、その拒否を「相手に悪い」と思ってしまい、その直後の要求を受けてしまう確率が高くなる(例:宗教団体への寄付を要求されそれを拒否する。その後にお菓子を買うことを要求されると、素直に従い購入してしまう)
- 政治の場でも100万ドルのバカげた計画を提案される→当然却下される→その直後に25万ドルの同じくバカげた案が提案される→なぜか通ってしまうという実例もある(価格差によるコントラスト効果もある)
第3章 コミットメントと一貫性-心に住む小鬼
人間は自分で決めたことは、例え間違っていたとしても最後までやり遂げようとするという性質があります。これを利用して「相手を誘導して決定を下させる」そして自分に有利にことを進めるというマーケティングがあります。
✅コミットメントと一貫性の利用例
- 馬券を購入する人は、購入する前よりも購入した後の方が、自分が勝った馬の勝率を高く見積もるようになる
- どんなダメ男でも、「お前のために更生する。だから一緒になって欲しい」と言われ、自分で納得して結婚してしまうと、その後に再びダメ男に戻ったとしてもすぐに別れようとは思わない
- 何も言わなければ人は傍観者になるが、一言「見張っててね」とお願いすると、人は警備員となり力を発揮する
- 自分が救ってほしい!と思い信じたことに対しては、例え間違っていたとしても、その正論を拒否して最後まで信じてしまう
- 一度購入する!と決めたものは、たとえその時売り切れで購入できず、他の代替品を購入した後でも、再販された時は購入してしまう(なので、クリスマス時期などにわざと人気商品を品切れにさせ、代替品と本名品の両方を購入させるという戦略もある)
- 事前にボランティア参加への質問だけしておく→質問を受けた人は冷たい人だと思われたくない→アンケートだからというのもあり参加すると答える→後日、本当にボランティアへの参加依頼が来る→参加してしまう人が続出する(自分で答えたことを人は実行しようとする)
- 商売はコミットメントが大事。まずは小さな買い物をさせ、徐々に大きな買い物へとシフトさせていく(行動を起こさせるためには、事前に小さなコミットメントをしておく)
- 相手を紹介する時に協調性があり公正である、と伝えると、相手は自己のイメージを協調性があり公正である行動をしなけばならないと判断させ、協力的な関係にすることができる
- 人前で自分の意見を披露すると意見を変えにくくなる(ダイエットや禁煙に役立つ)
- お客に電話する、HPにアクセスする、地図を調べるなどのコミットメントを行わせると来店率、購入率が高くなる
- 人は試練を乗り越えると、その苦悩を自らの信念に変えて信仰心を高めようとする(部活などでキツイ練習をした人ほど、生涯にわたってその部活動を趣味としてやり続ける)
- 外部からの圧力なしに自分で決めたことに対してはより強く認めるようになる
- 一度決めた後では、少しばかり値上げしても客は購入するのをやめない(営業マンの中には購入すると決定させた後に、オプションの入れ忘れなどで金額を加算する場合がある。逆に好条件を取り除くこともある)
第4章 社会的証明―真実は私たちに
人は良くも悪くも周囲の人に影響されやすいという習性を持っています。特に曖昧な自信を持てないことに関してはその影響力が大きくなり、周りの人の動きに従うという行動が強く出るようになります。
このような社会的な証明を利用したマーケティングがあるようです。
✅社会的証明―真実は私たちにの利用例
- テレビ番組の笑い声は観ている人の笑いを誘う&実際のネタよりも面白く感じさせるという効果がある
- チップ入れや募金箱に予め紙幣を何枚か入れておくと、その後の実入りがよくなる
- 自分で何を買うか決められる人は5%。残りの95%は他人のやり方を真似する。他人の行動にかなうマーケティングなどない
- 引っ込み思案な子供でも、「引っ込み思案な子供が段々と人の輪に入り仲良くなる」という映画を見せると、引っ込み思案が治り仲間を引っ張っていく存在に変わる
- 社会的証明は多数ではなく「サクラ」のように皆を率先するような行動をする人においても同じように影響される。仲間や集団の中で強い意志を示す人がいればそれに従う
- 街で瀕死の状態で倒れていても、行きかう人々が無視していれば、皆も見て見ぬふりして通り過ぎてしまう
- 人は集団になる、その場所に人がたくさんいると確信が持てなくなる→行動できなくなるという性質がある→なので、人込みで助けを求める時は明確でハッキリ人を指名して助けてもらう
- 人間は自分とよく似た人物がその行動をすることで真似しやすくなる(ターゲット層と同じような人物をCMに起用した方が購入につながる)
- 自殺などの報道が広まると、同じように自殺願望を持っている人たちの気持ちを刺激して自殺者数が増える
第5章 好意―優しそうな顔をした泥棒
人は外見的に好意を持つ人に対して「YES」と答えてしまうという癖があります。また、自分によく似た人にも好感を持ちます、更に接触を繰り返して馴染みを持つことも同様に好意を持ち、契約などに至りやすいという傾向があるようです。
このため、セールスマンなどは外見を磨き、フレンドリーな態度を取るようにこころがけています。
✅好意―優しそうな顔をした泥棒の使用例
- 店員が店で販売するよりも、友人がホームパーティーを開き、そこでものを販売した方が圧倒的によく売れる(身近で大好きな友人からの方が購入しやすい。なので友人を使った販売方法を使うところもある)
- 身体的魅力が高い人は販売成績が高い。面接官もいい点数を付ける。裁判でも有利になる。政治家の選挙でも有利。援助もされやすい
- 客は年齢、宗教、喫煙の習慣が似ているセールスマンだと、保険の契約をしやすい
- 人は「自分を好きな人を好きになる」という習性があります。イコールお世辞に弱いと結論付けることができます
- 人は良く知っている名前や顔、外見により親しみを覚えて投票や購入といった行動をおこしやすくなる
- 人間は競わせると互いにいがみ合い、逆にチームワークを高める(共通の目線となるようにする)ようにすると仲間意識が高まる→警戒心が薄れる→購入につながる
- 最初に怖い刑事に取り調べをさせる次にやさしい刑事に取り調べをさせる→自白しやすくなる
- 悪い出来事を口にしていると、その人と関係なくても、人はその人を嫌いになってしまう(逆もまた然り)
- 商品と一緒に例えば魅力的な女性の写真などを掲載していると、人はその商品を購入しやすくなる
- 人が食べること=ポジティブで嬉しいことと認識します→食事を絡めた商品購入、政治家のイベントなどを行うと、商品購入、イメージアップにつながる
第6章 権威―導かれる服従
人は権利の力に弱いというか、あまり考えずに決断を下してしまうことがあります。医師や政治家、研究職の方、その道のプロなどには例え「間違っているのでは?」ということでも信じてしまいます。
✅権威―導かれる服従の利用例
- 人はどんなにむごいことでも、研究者などの権威者に絶対的に服従するという傾向がある
- 人は権威者や肩書の命令に従うことは自らに利益をもたらすと信じている
- 医師よりも位の低い人は医師の言うことを盲目に信じます。時にそれが医療事故を引き起こすことがある(医師の間違いを看護婦などが疑わないことから)
- 有名な医師を健康関連のCMに起用するとよく売れるようになる
- 権威や肩書と同じく「服装」も大事になります。ビシッとしたスーツを着ていると、その人の言葉や行動を信じてしまう
- 更に高級車に乗っている人もスーツ同様の効果がある
第7章 希少性―わずかなものについての法則
よく見受けられる「残りあと一個だよ」や「バーゲンセールは本日限り」、「閉店セール」などは希少性の原理を利用したマーケティングです。人間の持つ「もう買えなくなる」という焦りの心理を利用しています。
希少性は「貴重なもの」「買うか買わないかという選択ができなくなる」という心理が更に動機付けを高めます。また、2歳、13~19歳では個の感情の高まりによって更に制限に対して敏感になります。
✅希少性―わずかなものについての法則の利用例
- ここのレストランは美味しくない…と評価していた人が、レストランが2週間後に閉店すると聞くと、急に味が美味しくなったと評価を変える
- 何を得られるかよりも、何を失うかを説明した方が人間は引きつけられる(脳は損失から守るために進化してきた)
- 残り一つという言葉に弱い。お客が商品の説明を聞こうとした時に、「申し訳ございません。この品物は残り一つです」と説明すると、たいていのお客は購入する
- 時間の制限:今すぐ購入しなければ、後で高い商品を購入する羽目になるだろうと勧誘する
- 2歳と13歳~19歳という年齢では「障害があるほど燃え上がる」という傾向があるので、希少性の法則に対して大きく反応する
- 人は「禁止されたもの」を欲しがる傾向にある
- 人間は手に入らない希少性が高い情報に関して、「説得力が高い情報」と勘違いする傾向がある
- 独占的に「牛肉の供給が減りつつある」という情報を得た人は、ニュースなど皆が知ることで得た人よりも、牛肉をたくさん購入する傾向がある
- 人は以前より希少で手に入りにくいものよりも、今まで普通にあったものが手に入りにくくなった、という状況の方に魅力を感じる傾向にある
- 住宅などの購入を渋っている客に対して、「別の客が興味を示している」など「競合相手」の存在をでっちあげるというテクニックがある(競売にすると価格が跳ね上がることがある)
第8章 てっとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾
現代は情報の氾濫及び情報の移ろいが早いという傾向があるので、情報に翻弄されている…と感じる方が多いと思います。なので、「手っ取り早く情報を得る」という、安易な方法で判断する傾向が強くなり、そして心理学的な手法によって操作させるという危ない面へのリスクも高まってきています。
これら現代における影響力の傾向、リスクには十分な注意が必要になります。
✅てっとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾の利用例
- 人間は深く考えて結論を出すという傾向がありますが、時に、情報の一つだけを判断材料にして答えを出してしまうことがある
- 気力が足りない、考える時間がない、考えるべき材料がない時、あるいは多すぎる時などに、情報の一つだけに頼り結論を出す傾向が強くなる
- 情報がありすぎると、人は混乱して自分が知ってる方法を選択するようになる
- 情報が常に新しいものに置き換わることを始め、現代はあらゆることがスピードアップしている。これにより、状況を全体を把握して判断することが出来にくくなり、結果、特定の情報だけに頼るようになる
- 商売のプロは相手が十分に考えて答えを出す前に、「特定の情報を与えて短期的に答えを出す」というテクニックを持つ(そのテクニックが今まで紹介した手法)
では、これらセールステクニックに騙されないようにするにはどうすればいいのか?
✅セールステクニックに騙されないようにするには
返報性のルールに騙されないようにするには
- プレゼントや激励をされた後に何かを要求された時は断るようにする
- 無料のサービスやプレゼントは、相手が商品を売るためのプレゼンだと思うべし
- 自分の直感を信じて「ヤバい」と思ったら即座に身を引くこと
コミットメントと一貫性のルールへの対処法
- 50歳を超えると一貫性のルールを頑なに守るようになる、このことを自覚しておくようにする
社会的証明への対処法
- 世の中には「サクラ」や「不自然な笑い声」があることを知っておく(テレビ番組や劇場、インタビュー、CMなど)
- 多くの人が同じ行動をしているからといって、それが正しいとは限らないということを常にこころの隅に置いておくことが大事
好意を利用する人への対処法
- 相手のことを不自然なほど好きになっている時は「好意(自分が相手を好きになることによって発生する販売戦略)によるマーケティング術」だと思った方がいい
- 購入しようとしているものが本当に欲しいのか持ち帰って2~3日考えるようにする
権威に騙されないようにするには
- 権威者(医師や弁護士、専門家など)と接する時は「権威による影響力」を予め意識、予測しておくようにする
- 権威者の指示に従うべき時とそうでない時があることを自覚しておくこと
以上のような対策法があります。大事なのは俯瞰すること。その時の感情に流されずに、一歩引いて「本当に必要なのか」「本当に合っているのか」を考えることです。
これは私が行っていることなのですが、欲しいものがあった時には、その場では買わずに1週間ほど悩むようにしています。本当に必要なものであれば、1週間悩んでも買います。一方でマーケティングなどで必要でもないものを欲しがっている場合には欲しくなくなります。そして、その1週間の間に、その商品をそこで購入する必要があるのか、についても考えるようにします。価格、メンテナンスなど多方面から考えることも大事になります。
すでに心が動かされて購入してしまう、契約してしまうこともあるでしょう。その時「失敗した」と思ったならば、以降は警戒して巧妙なマーケティングに騙されないようにしましょう。
とはいえ、あまりガードを張りすぎると相手を嫌な気分にさせてしまうことも
影響力の武器を読むとガードが必要以上に高まります。営業マンやスーパーの試食係の人、店舗の販売員など、皆が敵に見えてしまいます。
警戒心が高くなるのはいいことなのですが、しかし、一方で相手を傷つけてしまうことがあるので注意するようにしましょう。
また、本当にいいものであるのにも関わらず購入機会を逃して後で後悔する…ということも出てきます。
✅ガードを固めすぎることによるデメリット
- 皆が敵にみえてしまう
- 知り合いが好意で勧めてくれるものまで警戒する→関係性が悪化する
- マーケティング関係なく好意でプレゼントしたものまで拒否してしまう→相手を傷つけてしまう
- 購入機会を逃すことがある
- 孤立につながることがある
このようなデメリットもあるので、その時々に応じて対応を変化させることも大事になります。
日本人は欧米の方と異なり「神経質」な方が多いので、これまでご紹介してきた各種マーケティング方法に簡単に引っかかるということはないと思いますが、それでも巧妙に仕掛けられた罠もあるので、それなりに慎重になるようにしつつ、ガードを固めすぎないように心がけるようにしなければなりません。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は全世界で大人気となっている「ビジネス+心理学」の本である「影響力の武器」という書籍のご紹介となりました。
世の中の仕組みが分かるので1度は読んでおいた方がいい本だと思いました。なぜ人の心は動かされるのか、なぜあのセールスマンはモノを売るのが得意なのか、なぜ人は傍から見たら変なのにも関わらず言うことを聞いてしまうのかなどの疑問がよく分かるようになります。
なので、自分が何かを売る側になった時はもちろん、買う側になった時の防御法としても役立ちます。
悪用する方も出てくるかと思いますが、一歩間違えば信用を失って大失敗になることがあるのでご使用は計画的に。
今回は以上になります。当サイトには他にもいろいろな記事がありますので、どうぞ、時間の許す限りゆっくりしていってくださいませ。
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